相手の立場を汲み取った気遣いをするには何を心掛けるといいか。営業研修トレーナーの伊庭正康さんは「マンガでよく使われる“モコモコの吹き出し”を想像しながら会話をすると、お客様の心を察知する助けになる。私のオススメは、このモコモコの中に『え、いいの?』と入れることだ。トップセールスはこの発想を無自覚にやっている」という――。

※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

青い吹き出し型の板を持つスーツの男性
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お客様の“モコモコの吹き出し”を想像する

営業の世界では「お客様の言葉を額面通りに受け取らない」、これが鉄則です。

お客様の「発した声」が本音ではないことは多いですよね。

実際、おっしゃったことを額面通りに受け取りその通りにしたところ、お客様が不満を感じる、なんてことはよくあること。

でも、これって、難しそうに思いますよね。

ある簡単な方法を紹介しましょう。

お客様の“モコモコの吹き出し”を想像してみてください。

マンガの吹き出しで、登場人物が心で何かを思っている時、モコモコした吹き出しに「クソー」「マズい……」など、心のセリフが書かれていませんか。

あのセリフを想像するのです。

例えば、登場人物がセリフでは、「任せてください」と言っていても、モコモコ吹き出しでは「できるかな……」といった心境が描かれていることも多いでしょう。

それがモコモコ。営業はそれを想像しながら会話をするのです。