相手の本音を引き出す3つの切り口

さて、ここからが具体策です。

お客様のモコモコを想像する便利な切り口を知っておくといいでしょう。

「3つの不」を想像してみてください。

「どんな不安」を感じていらっしゃるのかな……
「どんな不便」を感じていらっしゃるのかな……
「どんな不満」を感じていらっしゃるのかな……

この「3つの不」を想像してみるのです。

私が求人広告の営業をしていた時、広告の依頼を受けた際のエピソードを紹介します。

契約書をいただく際、お客様が私にこう言いました。

「応募があればいいけどね……」と。

その言葉を額面通りに受け取った私は、こう返してしまったのです。

「確かなことは言えませんが、いい人が採用できることを祈っております」と。

その瞬間、ほんの一瞬でしたが、お客様の表情が曇りました。

よくよく考えると、初めて求人広告を使うともおっしゃっていました。

他人事のように「お祈りしています」といった言葉に、「え……祈りますはないでしょ」という、モコモコが見えた気がしました。

すぐに「採用できるよう精一杯サポートさせていただきます。応募を受ける際、面接の際のご不安はないですか?」と言い直しました。

もちろん、お客様の心を完璧に言い当てることはできません。

ただ、想像だけはしてみてください。

間違えていても構いません。

私の経験からも、お客様1人ひとりの感じていることを察知し、それに対応することが、より信頼され、成功する営業になる近道だと確信しています。

「どう思われるか」ではなく「どう思わせるか」

先ほど、モコモコの吹き出しを想像しましょう、と言いました。

さらに上を目指すのであれば、このモコモコに何を入れるか、そこまでを想像するといいでしょう。

つまり、「どう思われるか」ではなく、「どう思わせるか」を考えるのです。

私のオススメは、このモコモコの中に「え、いいの?」と入れること。

この発想は、トップセールスが無自覚にやっている気くばりのテクニックといってもいいでしょう。

営業「もし、よろしければ、**をいたしましょうか?」

お客様「(え、いいの?)ありがとうございます。助かります」

この流れです。

アメリカに世界一のセールスと言われる伝説の人がいます。

アメリカの自動車販売の営業に従事するアリ・レダ氏です。

月に10〜20台を売れば十分と言われる中、彼はコンスタントに月に100台以上を売り続けるというまさに驚愕の結果を出し、なんとそれまでの販売台数のギネス記録も抜き、世界一の営業となりました。

そんなアリ・レダ氏は、週50時間しか仕事をしていないというのですから、その効率のよさに驚きます。