仕事のデキる人は何を心掛けているか。営業研修トレーナーの伊庭正康さんは「私は新人時代に、お客様対応に追われ会社の忘年会に少し遅れることを上司に伝えたところ、『遅れるなら来なくていいよ』と言われたことがある。人の時間を軽く考えてはいけないこと、“お金の約束を破る”“時間の約束を破る”と人が去っていくことを教わった」という――。

※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり 「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

暗い部屋でスマートフォンを見るシニアビジネスマン
写真=iStock.com/PonyWang
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“お金の約束を破る”“時間の約束を破る”と人が去っていく

あなたは、どれほど「時間に遅れない」ことを意識していますか?

信用を失いたくないなら、まず「1秒たりとも遅れてはなるものか」という気概だけは持ってみてください。

力強く申したのには、ワケがあります。

新人時代、キツく叱られ、目が覚めた経験があるからです。

この失敗談を、あなたはどう思いますか。ちょっと考えてみてください。

その日は、19時から会社の忘年会が入っていました。

しかし、お客様対応に追われてしまい、とても間に合いそうにありませんでした。

とりあえず、上司に報告せねば……と思い、

「すみません! 少し遅れてしまいそうです。すぐ駆けつけます」

と伝えたところ、思わぬ返答が返ってきました。

「そうか……。遅れるなら、来なくていいよ」

当時の私は、これくらいは許されると思っていましたが、そんなに甘くはありませんでした。

「伊庭はお客様との約束も、そんな感じで遅れるの?」

「いえ、さすがにそれはありません」

「だとしたら、人の時間を軽く考えていないか? 伊庭より忙しい先輩達は、時間のやりくりをして、遅れずに参加しているわけだよね。誰1人、遅れていないよ。そんなところに、先輩より仕事が少ない伊庭が当たり前のように遅れて入ってくることってどうかな……と思うんだよ」

「すみません」

「“お金の約束を破る”、“時間の約束を破る”、この2つをすれば、人が去っていくんだよ。それは、その人にとってとても貴重だから。それを伊庭がイージーに考えていることが、残念でならない」