年齢を重ねて少食になった際に、効率良く栄養を摂取するにはどうすればいいか。管理栄養士の森由香子さんは「少食な人でも食べやすい料理のひとつに、オムレツがあるが、これに具材を加えると栄養バランスが整った食事が完成する。朝はメインディッシュに、昼と夜は、サイドディッシュとして食べれば、おかずを作る手間がかなり軽減される」という――。
※本稿は、森由香子『60歳からの「少食」でも病気にならない食べ方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
1日350gの野菜を手軽に摂取する方法
栄養バランスを整える上で、なかなか摂れないのが野菜でしょう。一般的に、1日350gの野菜を食べることが推奨されているので、1日3食で単純に割ると、1食120g近く食べる必要があることになります。
たとえばにんじん1本はおよそ150gですので、5分の4本食べると120gをクリアできたことになります。
でも、少食な人や、野菜をモリモリ食べられない人は、あまり重量を意識すると余計に重荷になってしまうでしょう。
そこで試していただきたいのが、野菜を天日干しにして食べる方法です。
にんじん、かぼちゃ、大根、ごぼう、れんこん、なす、パプリカ、ピーマン、オクラなどを3〜4ミリの薄切りにして、2〜3日天日干ししておくのです。
野菜を天日干しにすると、糖類やアミノ酸が増えて旨みが増すだけでなく、食物繊維をはじめ、鉄やカルシウムなどのミネラル類、ナイアシンなどのビタミンB群、ビタミンDなどの栄養素が凝縮されます。カサも減るので、その分、多めに食べることができます。
一度作っておくと、冷蔵庫で2〜3日は持つので、みそ汁やスープ、煮物、炒め物などに毎食どんどん使いましょう。みそ汁や煮物などには、そのまま鍋に入れて使えます。料理するときに切る手間が省け、水分が抜けて火の通りが良くなっているので、時短にもなります。