中高年におすすめの朝食メニューは何か。管理栄養士の森由香子さんは「朝食でたんぱく質を食べてアミノ酸を補給しないと、自分の筋肉を分解してアミノ酸として使ってしまい、筋肉が減ってしまう恐れがある。これだけ食べておけばとりあえずは○、という朝食はゆでるだけ、カットするだけで食べられるこの2つの食材だ」という――。

※本稿は、森由香子『60歳からの「少食」でも病気にならない食べ方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

朝食
写真=iStock.com/onlyyouqj
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朝食はこれだけ食べていればとりあえず大丈夫

年齢が上がってくると、どうしても落ちていく筋肉。

筋肉を作るためにもっとも大切な栄養素がたんぱく質であることは、皆さんもご存じでしょう。たんぱく質は、できれば朝、昼、晩としっかり摂っていただきたいのですが、特に重要なのが朝食です。

朝食を食べていない方のためにも、なぜ朝食でたんぱく質を補給する必要があるのか、簡単に説明しておきましょう。

筋肉の合成に欠かせないのが、食事で摂ったたんぱく質から分解・吸収されるアミノ酸です。アミノ酸は、体内で私たちの健康を維持するためにさまざまな働きをしていて、寝ている間も使われ続けています。

そのため、朝起きて朝食を食べる前が、もっともアミノ酸が不足している時間帯になります。朝食でたんぱく質を食べてアミノ酸を補給しないと、私たちの体は自分の筋肉を分解してアミノ酸として使ってしまい、筋肉が減ってしまう恐れがあるのです。

そこで、「そうはいっても、朝からそんなに食べられない」「朝食を準備する余裕がない」という方に、これだけ食べておけばとりあえずは○、という食事をご紹介しましょう。

それは、ゆで卵とキウイフルーツの組み合わせです。

卵はたんぱく質が補給できるだけでなく、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEも含んでいる非常に優れた食品です。一方、キウイフルーツには、体内でビタミンAに変わるβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、そして食物繊維が豊富に含まれています。

卵にはビタミンCと食物繊維だけが含まれていないので、キウイフルーツを一緒に食べることで、栄養素が見事に整うのです。

ゆで卵はゆでるだけで食べられますし、コンビニでも買えます。キウイフルーツは横半分にカットすれば、スプーンですくって簡単に食べられます。

朝食を敬遠気味だった方も、これなら気軽に試していただけるはずです。