停滞した会議を打ち破るため、いま“ギャル”を会議に招く日本企業が増えている。「ギャル式ブレスト®」の生みの親に、日本の会議が抱える課題と、生産性を高めるギャル式の対話を聞いた。

高校で不登校になり家出先の大阪で遭遇した

貴重な時間を割いて集まったのに、発言するのはいつも同じ人。みんな周囲の顔色をうかがってアイデアを出さない。こんな停滞した日本の会議をブチ壊すのが、ギャルです。

私たちはファシリテーションを学んだギャルを企業に送り込み、アイデア出しをうながす「ギャル式ブレスト®」や、ギャルが社員の本音を引き出すために1on1を行う「ギャル式1on1」などのサービスを提供しています。

得意先の8割が日本の伝統的な大企業、いわゆるJTCです。「新規事業のアイデアが出せた」「部下の本音を聞き出せた」と好評をいただいています。「ギャルって派手な格好してる若い女の子たちでしょ? そんな人に何ができるの?」と思うかもしれません。ところがギャルが企業に入ると、一瞬で空気が変わります。それはギャルが企業の論理とは真逆の価値観で生きているからではないでしょうか。

実は私、もともとめっちゃ真面目で、勉強ばかりしていた非ギャル人間でした。でも無理がたたって高校で不登校になり、知り合いを頼って山梨から家出した大阪で、初めてギャルと出会ったのです。時は平成で、まさにギャルの全盛時代。私は宇宙人に遭遇したような衝撃を受けました。ギャルは周りからどう見られるかを全く気にせず、自分が「好き」と思う振る舞いや格好をする。それが自分の気分を「アゲ」てくれるから。それって彼女たちが強い軸を持ってるってことですよね。ギャルってすごいと感動して、気づけば私もギャルの一員になっていました。

ギャルのマインドには3つの特徴があります。それは、①自分がどう思うかで判断する「自分軸」、②思ったことを素直に口に出す「直感性」、③「ま、なんとかなるっしょ」という「ポジティブ思考」。

【図表】会議が活性化する3つのギャルマインド

これと真逆なのが企業です。みんな自分がどう思うかではなく会社がどうかで判断する「会社軸」だし、会社で意見を言うなら直感ではなく根拠を示さないと怒られる。しかも上司は失敗を恐れて「そんなの無理」とか言ったりして、けっこうネガティブ。

一生懸命勉強して一流企業に入った人たちの中には、会社だったり、親や先生の言うことが正解の人たちが多いと感じています。私も以前はそうでしたが、そんなふうに自分以外の人の基準に合わせていると、周囲の様子をうかがってからでないと、思ったことを発言できなくなってしまうんですよね。「上司のほうが知識があるから、自分は発言しちゃいけない」とか、「若手は出しゃばっちゃいけない」みたいな、本来存在しないはずの役割をみんなが演じているというか。

敬語をやめてみると心理的安全性が生まれる

私たちは新規事業系の部署の方からお声がけいただくことが多いのですが、みなさん「既存の事業だけでは会社が継続しないぞ」っていう危機感を持たれています。だから新規事業を企画するけれど、体質がやっぱり日本企業なので、「新しいアイデアを出して」と言っても、会議が盛り上がらない。部下はだんまりだし、上司は同じ人ばかりがしゃべってる。結局、何も決まらない。

ほかにも日本の会議が停滞してしまう理由はたくさんあって、たとえば敬語を使って話すこと。敬語で上下の区別をつけるから、役割を意識せざるをえない。

ギャルの上下関係は令和になって崩れてきていて、年齢を気にせず個人が自由に発言しています。

(構成=長山清子 写真提供=CGOドットコム)