最高の英語教師はプレスリーだ
僕は、1981年にスタートした洋楽番組「ベストヒットUSA」の司会を現在まで続けているほか、DJやナレーション、ラジオ英語講師などの仕事にも長年携わってきました。
僕が80歳を超えたいまも、現役で「英語を話す」という仕事を続けていられるのは、学生時代から鍛えてきた英語力の賜物でしょう。英会話に堪能な司会者は、僕のほかにもいましたが、「本物のアメリカ人?」と思われるような英会話がしたくて、英語の発音の研究を重ねてきたのが、認めてもらえたのだと思っています。
僕と英語の付き合いは、もう70年以上になります。僕は、広島県福山市で生まれ育ったんですが、自宅のラジオから、隣の山口県にある在日米軍岩国基地から流れてくる英語放送も聞けたんですね。それで、小学生の時から、英語に親しんでいました。
英語のラジオドラマもよく聴いていましたが、15歳の時にエルヴィス・プレスリーの曲をラジオで聴き、衝撃を受けました。「ロックンロール」なんていう音楽を、初めて知ったんですね。すっかりハマってしまい、高校生の時はプレスリーばかり聴いていました。
いつもプレスリーになりきって、彼の「南部訛り」と「アフリカ系訛り」の混ざった発音を真似していました。彼の「監獄ロック」や「ハウンド・ドッグ」でその特徴的な訛りを聞くことができますね。まさか、この時の「完コピ」がいまの仕事に繋がるとは当時、思ってもいませんでした。プレスリーとの出会いが、“英語”を一生の仕事にする、僕の運命を決めたんです。
学校の先生に怒られるかもしれませんが、中学や高校の英語の授業はつまらないので、実は、ほとんど聞いていませんでした。それなのに、英語はトップを争うほどの成績でした。英語放送をずっと聴き、音の真似を続けていたので、知らずしらずのうちに、英語力がアップしていたからでしょう。
悲しいことに、いまでも英語が苦手な日本人が多いんですが、学校の英語教育の責任は重いと言えます。
興味のない英単語や構文を無理矢理に覚えさせられて、英語が好きになるはずがない。英語が面白くないから嫌いになったのではなく、「英語の授業が面白くない」から嫌いになったという人が、きっと多いと思います。
洋楽や洋画といったコンテンツで遊びながら、楽しく英語を学んだほうが、よほど身につくでしょう。僕がいい見本です。実際に、「ベストヒットUSA」で洋楽が好きになり、気がついたら「英語も得意になっていた」といった視聴者の喜びの声もよく耳にしました。そうした意味では、日本人の英語力アップに少しは貢献できたのかもしれません。
ラップを聴いていると英語の発音がうまくなる
英語力を高めるコンテンツとして、僕の一押しなのが洋楽。どうしてかと言えば、「英語がわかる耳と口」を育てられるからです。「聴いてもわからない言葉は、しゃべれない」「しゃべれない言葉は、聴いてもわからない」というのが、長年の経験から導き出した僕の持論。つまり、リスニングとスピーキングは、英語の習得において、切っても切れない関係にあるわけです。
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