3カ月かかる仕事も3日で終わらせる
実際に生産現場へ行くと、山の形があるところに部品がいくつも並んでいたりします。
そして、モノと情報の流れ図を見ながら、滞留のある場所をどうやってなくすかを考え、実行に移します。例えば、仕事がやりづらくて滞留しているのであれば、やりづらくならないようにカイゼンするのです。重い部品を持ち上げる動作が続く工程であれば補助具を用意して、部品を軽く感じるようにする。あるいは重い部品そのものの質を下げることなく、重量を軽くする……。カイゼンの方法はいくらでもあります。
カイゼンの方法を考える。それが問題解決です。トヨタの社員の仕事は現場へ行くこと、現場でモノと情報の流れ図を書くこと。現場と図を見ながら、なぜなぜ解析をする。そして、問題を解決してカイゼンするのです。
仕事はたったこれだけ。
他の会社であればチーム編成をして、打ち合わせと会議を繰り返して、全員が現場へ行くことはありません。そうして、ようやく書類を作成して、発表して、幹部の認可を得て行動に移します。それをPDCAなどと表現しますが、スピード感がまったく違います。他の会社が3カ月かかることをトヨタは3日で終わらせます。そして、2回目からは「3日でなく2日でやろう」と決めてから問題解決にのぞむのです。