原油価格が金融市場の主役に
中東情勢の緊迫化をきっかけに、原油価格が金融市場の主役に躍り出た。
2月末の米国とイスラエルによるイランへの軍事作戦以降、WTI原油価格は1バレル65ドル程度から4月上旬には110ドル超まで急騰した。各国の株価は景気悪化懸念から下落し、金利はインフレ懸念で上昇した。4月中旬には、停戦への期待から原油価格は最高値からはやや下落したものの、依然として高水準を維持している。
米国では、ガソリン価格の高騰など経済状況の悪化が、イラン攻撃に対する不信感と相まって、トランプ大統領の支持率を一段と押し下げている。そして原油高は、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策判断を揺さぶることで、今後もトランプ氏の「アキレス腱」となり続けるとみられる。
2026年4月13日、米国ワシントンD.C.のホワイトハウス外で行われた到着式典にて、ドナルド・トランプ米大統領がオランダのウィレム=アレクサンダー国王(右)と会談
トランプへの支持率低下が続く
トランプ大統領への支持率は、中東情勢の緊迫化と軌を一にして、急速に悪化している。米国の代表的な世論調査サイト「Real Clear Politics」では、トランプ氏の支持率は4月中旬時点で42%程度と就任以来の最低水準に落ち込み、第1次トランプ政権(トランプ1.0)の平均をも下回っている(図表1)。
この支持率低迷は今年11月の中間選挙への影響も大きく、共和党が確実視されていた上院の過半数維持すら危ういとの見方が増えてきた。つまり、中間選挙での共和党の完敗も現実味を帯びている。これは、大統領の弾劾リスクが高まるだけでなく、共和党議員に対するトランプ氏の支配力が弱まることを意味する。


