疲労回復に効果的な飲み物は何か。東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは「栄養ドリンクは『疲労感』は薄まるかもしれないが、『疲労そのもの』はまったくなくならない。一方で、1日にグラス1~2杯なら心筋梗塞を防ぐお酒がある」という――。

※本稿は、梶本修身『「疲れないからだ」になれる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

ハートのオブジェを手にのせる
写真=iStock.com/Peera_Sathawirawong
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栄養ドリンクで「疲労そのもの」はまったく消えない

今、コンビニやドラッグストアに行くと、多くの種類の栄養ドリンクが並んでいます。テレビでも、さかんにCMが流されています。

残業のときや、体がなんとなく重たい朝に手が伸びる――そんな人が多いのでしょう。現在、栄養ドリンク市場は年間売上がトータル2000億~2500億円にものぼっているといいます。

しかし実は、こうした数ある商品のなかで、疲労回復効果が臨床試験で実証されているものは、ひとつもありません。

栄養ドリンクのラベルを見ると、「タウリン○○○○mg配合!」などと書かれています。その含有量が多ければ多いほど、疲れに効きそうだという印象を受けるでしょう。

しかし、たとえばこのタウリンに疲労回復効果があるという科学的証拠はいっさいありません。

そうはいっても、栄養ドリンクを飲んだあとに「スッキリして目がさえた」というような、疲れが軽減されたという感覚を持つ人はかなりいるでしょう。

それは、ドリンクに含まれている大量のカフェインの覚醒作用と、微量のアルコールの気分高揚作用によるものです。

たしかに「疲労感」は薄まるかもしれませんが、「疲労そのもの」はまったくなくなっていないのです。ですから、日常的にこうした栄養ドリンクを飲んでいると、疲労感を消すことでごまかされたまま、疲労は蓄積される一方になります。