日本について学ぶ米国人はどう見ている?

日本ではこの春、大手企業幹部の発言や新聞広告で、女性蔑視や性差別と批判され炎上する出来事が相次いだ。2021年版世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で156カ国中120位だった日本に対し、前回から大きく順位を上げて30位に躍進したアメリカではまず考えられないものばかりだ。

そんなアメリカで暮らす若いZ世代の目には、日本で起きている一連の炎上騒動はどう映っているのだろう。もしかすると私たちが気づかない視点で、モヤモヤの霧を晴らしてくれるのではないだろうか。そう思い立ち、筆者が主宰する「ニューヨークフューチャーラボ」で、日本での炎上トピックをテーマに座談会を開催した。

お断りしたいのは、ラボのZ世代はそれぞれが日本に何らかのルーツを持ち、日本語や文化について勉強している、少なくとも日本に対する親しみや愛が深いアメリカ人だということだ。だからこそ厳しい意見も出ることを踏まえて読んでいただけたらと思う。

今回参加したのは、シャンシャン(21歳)、ケンジュ(22歳)、ノエ(22歳)、メアリー(24歳)、ヒカル(25歳)の5人だ。

筆者が出演するJFNラジオのコーナー「NYフューチャーラボ-ミレニアルZ世代研究所」の収録の様子
筆者提供
筆者が出演するInterFMのコーナー「NY Future Lab ミレニアルZ世代研究所」の収録の様子

「“女子高生”という言葉は日本ならではの意味がある」

まず議題に上がったのは、日本経済新聞が4月に掲載した、比村奇石氏の漫画『月曜日のたわわ』(講談社)の全面広告。胸の大きな女子高生の日常を描くマンガで、胸の強調されたキャラクターデザインや、電車で知り合った会社員男性に対し、性的なニュアンスの言葉や態度で挑発するストーリーなどが「新聞広告としてふさわしくない」と批判された。

ネットでは、作品の広告掲載によって「未成年への性暴力を肯定している」「性差別や痴漢を助長している」という意見が殺到し炎上。国連女性機関が日本経済新聞に抗議文を送るまでに発展した。一方で「漫画の表現の自由を守るべき」との声も上がっている。

今回興味深かったのは、アメリカZ世代の反応から日米の明らかな違いが見えたことだ。メンバーのノエ(22歳)はこう指摘する。

「“女子高生”という言葉は、日本ならではの意味を持っているよね。大人が女子高生に対してセクシーな夢を抱くというのは、日本文化の特徴の一つだと思う」