「#Metoo」を主導した若者はどう受け止めているか
10月2日の会見でジャニーズ問題が新たな展開を見せた。事務所は解体・廃業。被害者救済を目的とする会社「スマイルアップ」と、タレントを抱えるエージェント会社(名称未定)に分割されるという。
ジャニーズ問題は、アメリカで2017年に起きたハーヴェイ・ワインスタイン事件とよく比較される。
アメリカではこの犯罪事件をきっかけに、#Metoo運動の炎が燃え上がった。
同時に企業の対応も大きく変化した。今や人権問題に関するリスク管理ができない企業の生き残りは難しい。
#Metoo運動を燃え上がらせたのはアメリカのミレニアル世代とZ世代だ。その彼らは、今ジャニーズ問題をどう見ているのだろうか。
ニューヨークのZ世代と座談会形式で、昨今のトレンドや社会問題を掘り下げるラジオ番組&ポッドキャスト、「NY Future Labミレニアル・Z世代研究所」では、9月の会見以降、この問題について話し合ってきた。
今日は20歳から25歳の彼らの言葉を借りながら、日本のジャニーズ問題がこれからどこへ向かっていくのか、そしてアメリカの#Metoo運動のように大きな動きに発展するのかを考えてみたい。
ハリウッドでも子供が犠牲になることは珍しくない
「被害を申告した人が400人以上って多すぎる! クレイジーだ!」と番組のZ世代メンバーは全員驚きを隠せない。
「とても悲しい。エンターテインメント業界は、才能あるタレントを使って収益を上げているのに、彼らを守ることができなかった」とコメントしたのはミクアだ。彼女はこう続ける。
「多くの被害者がいて、誰かが声を上げたかもしれないのに、誰もそれを真剣に受け止めなかった。日本国外のメディアが介入した時には喜多川氏はすでに亡くなっていて、遅かったと思う」
彼らは何よりも、犠牲になった子供や若者たちに対する同情や共感などの思いがとても強い。その理由のひとつは、アメリカでもこうした性犯罪が常に起こっているからだ。逆に、彼らを搾取したり、犯罪を見過ごしたりする業界の責任は厳しく追及する。
ケンジュはこう語る。
「アメリカは最悪だと思う。若い子供のスターが虐待されたり、利用されたりする例がたくさんある。アメリカのエンターテインメント業界の文化みたいなものだ」
メアリーも「有名なのはワインスタインだけど、他にも権力を、性的な利益を得るために利用している人たちが少なくない」と同調する。
ここでハーヴェイ・ワインスタイン事件を振り返ってみよう。