体調を崩しがちな季節には、何を食べるといいのか。「野菜を育むプロ」を自称するしんさんが、疲労と便秘、胃腸の不調の解消に適した野菜を解説する――。

※本稿は、しん(野菜を育むプロ)、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部(監修)『農家が教えたい 世界一使える野菜の教科書 おいしくて体にいい選び方&食べ方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

野菜
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです

「活性酸素」の増加が生活習慣病の誘発要因に

私たちの体の燃料はたんぱく質・脂質・糖質です。これら3大栄養素にはカロリーがあり、体のあらゆる機能は3大栄養素のカロリーを体内でエネルギーに変える(代謝する)ことで成り立っています。

野菜に豊富に含まれる「微量栄養素(ビタミン、ミネラル)」にはカロリーがありません。しかし、たとえば「ビタミンB1は糖質代謝を促進する」というように、非常に複雑な代謝プロセスには微量栄養素が必要不可欠です。その働きがなければ、カロリーをとっても体内でうまくエネルギーに変換されず、元気に活動できなくなってしまうでしょう。

それだけではありません。体内では常に「活性酸素」という物質が発生しています。俗に「サビ」とも言われますが、活性酸素は細胞を酸化させ、血管の劣化や肌の衰えといったあらゆる老化現象を促進します。ひいては生活習慣病の誘発要因にもなります。

「微量栄養素」が体内のサビを防ぐ

そんな厄介な活性酸素を除去するために重要な役割を果たすのも、微量栄養素です。3大栄養素・ビタミン・ミネラル・食物繊維と並び「第7の栄養素」と呼ばれるフィトケミカルも同様です。

みなさんは「ビタミンCはアンチエイジングに効果的」「目の健康にはアントシアニン」なんて聞いたことはありませんか? これもビタミンCやアントシアニンが強力な抗酸化物質だからなのです。

野菜にはエネルギーとなる3大栄養素を多く含むものは少ないのですが、さまざまな症状の改善に効果的な微量栄養素を豊富に含むものはたくさんあります。つまり日々野菜をたくさん食べるほどに、美しく健やかな体が作られるということ。ごはんや肉・魚はしっかり食べながら、野菜もたくさん取り入れていきましょう。