健康で長生きするにはどんなことに気をつければいいのか。整形外科医の北城雅照さんは「長引くこむら返りには注意したほうがいい。こむら返りは老化や疲労などによって引き起こされるが、なかには命に関わる病気のおそれもある」という――。(第1回)

※本稿は、北城雅照『足の名医がついにたどりついた こむら返りと手足のつりリセット法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

ふくらはぎを痛めた男性
写真=iStock.com/Davizro
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足がつる「こむら返り」は病気のサイン

こむら返りは、腱紡錘の衰えや筋肉量の減少、電解質バランスの異常、筋肉疲労、血流障害、神経障害などが主な原因。だからこそ、小まめに麦茶を飲むことや、ふくらはぎをマッサージするなどの「こむら返りリセット法」や、アキレス腱を伸ばすストレッチなどの緊急リセット法を知ることで、ほとんどのこむら返りは予防・対処できるようになります。

しかし、1週間のうちに2回も3回もこむら返りが起こる。それが何カ月も続いている。そんな状態なら、話は別です。この場合、ただの筋肉疲労や冷えなどが原因ではなく、背後に何か重篤な病気が潜んでいる可能性があるからです。

とくに多いのが「脊柱管狭窄症」。この病気は、脊髄の神経が圧迫されることで神経の伝達が乱れ、足のしびれや痛み、そして、こむら返りが頻繁に起こるようになります。ほかにも、糖尿病や下肢静脈瘤、肝硬変など、こむら返りを引き起こす病気は、じつにさまざまです。

まさに、こむら返りはふくらはぎからの警告サイン。少しでも早く気づいてほしい――と、あなたの体が、こむら返りというかたちで「異常」を必死に伝えようとしているのかもしれません。

こうした病気が原因でこむら返りが起こる場合は、「こむら返りリセット法」や「緊急リセット法」を実践すると同時に、背景にある病気を治療することで、根本的な解決をはからなくてはなりません。