「女子高生ブランド」は日本だけ

確かに日本語で「女子高生」を画像検索すると、多くは普通の制服姿や漫画のキャラクターが出てくるが、短い制服のスカートからのぞく太ももや脚にフォーカスした写真も目立つ。中には「見知らぬ女子高生に監禁された漫画家の話」というライトノベルのイラストも入ってきた。

言わずもがな、日本では女子高生がアニメや漫画の枠を超えた売れるコンテンツとして、ある意味ブランド化されている。“JKブランド”という言葉もあるくらいだ。しかし、こうした女子高生ブランドという概念はアメリカにはないし、「女子高生」というコンセプトすら存在しない。あくまで高校生の女子、男子というだけで、女子に限って特別な意味合いもない。

その背景には未成年に対するアメリカと日本の考え方や、法律の違いがある。

アメリカで未成年が取り沙汰されるのは、多くが高校生と教師の性的な関係だ。これはいくら当事者がそのつもりであっても、歳の差を超えた恋愛とは解釈されない。対象年齢は各州法によって変わるが、法律上は成人が未成年とセックスしたら、同意の有無にかかわらず、強制性交の罪で成人が逮捕される。

性的な表現は漫画やアニメであっても禁止

この年齢は日本では性交同意年齢とも言われ、アメリカではほとんどの州で16~18歳と定義している。この法律は子供を対象にした性犯罪から子供を守るのが目的で、高校生(15~18歳)も対象に入ってくる。ちなみに日本では性交同意年齢は13歳になっており、もっと引き上げるべきという声が出ている。

子供に関するコンテンツも規制が厳しい。アメリカでは、未成年が登場するチャイルドポルノは、実写だけでなく漫画やアニメに関しても禁止されている。それに比べ、日本では実写のみが規制されているという違いもある。

以上を踏まえると、『月曜日のたわわ』のような漫画に描かれる成人男性と女子高生の関係は、いくら性行為がなくても、未成年に対し性的なファンタジーを抱かせるような内容の時点でアメリカでは認められないだろう。メジャーな新聞社も広告を掲載することはあり得ないし、高校生とはっきり分かる制服を着た女の子を性的な対象として見ること自体、一般社会で受け入れられない。

一方で、驚くような意見もあった。メアリー(24歳)は、こうした日本の漫画やアニメの表現は、性暴力の肯定だと一刀両断できないのではないかという。