若いうちから短く書く努力を繰り返すべき

ただ、あなたはこう思うかもしれない。「短くまとめられません。だって、文章が下手だから」と。気もちはわかる。でも、本当は順番が逆なのだ。文章がうまいから短く書けるわけではなく、短く書こうとするから文章がうまくなっていくのだ。

言い換えれば、あなたが「文字数制限なく、自由に書いていいですよ」と言われ続けたとしたら、永久に短い文章を書けるようにはならない。短く書こうとしなければ、いつまでも文章がうまくならないからだ。自由に書いていいと言われたら、人は長く書いてしまう。一方で、短く書けと言われれば、短く書けるようになるものなのだ。

フォームに記入する介護者の手
写真=iStock.com/kazuma seki
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Twitterをイメージするとわかりやすい。Twitterは140文字の制限がある。そして、人は「140文字以内で書きなさい」と強制されれば、140文字で書けるようになる。しかし、「自由に書いていいですよ」と言われると、ダラダラ書いてしまって、140文字に収められないのだ。

これは、CHAPTER1の【目標の法則】で伝えたことと同じだ。技術があるから、目標を達成できるようになるのではなく、まず目標があって、それを達成するために行動するから、技術を身につけられるようになる、ということだ。

北野唯我『仕事の教科書』(日本図書センター)
北野唯我『仕事の教科書』(日本図書センター)

つまり、「先に目標、成果は後」。こういう順番なのだ。とても重要なことなので、何度も声に出して、頭に叩き込んでほしい。「先に目標、成果は後」だ。

当然、【短文の法則】は「型」になる。型を覚えた後は、自由に書けるようになるべきだし、自由に表現したほうがいいフェーズ(=局面)が必ずくる。あなたの感性を思う存分、表現すべきタイミングが必ずくる。

ただ、どんな世界でも、まずは型を覚えたほうが、明らかにその後の成長スピードは上がる。だからこそ、若いうちに短く書く練習をくり返すべきなのだ。面倒そうに見えても、絶対やったほうがいい。なぜなら、ほかのビジネスパーソンは絶対やらないからだ。それゆえ、今後のあなたを助ける武器になる。がんばろう。

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