文章が上手な人は動詞を使いこなしている

2つめは、【動詞の法則】だ。この法則も、「わかりづらさ」から爆速で脱却するために、絶対に覚えておいたほうがいいものだ。結論から言うと、すべての文章に、必ず「動詞」を入れることだ。

いい話し手であり、いい書き手であり、いい営業マンであり、いいマーケターである人は、動詞の使い方が抜群にうまいのだ。

ちなみに、前提を合わせるために、「動詞」を定義しておくと、物事の動作や状態を表す言葉だ。たとえば、着る・食う・住む・書く・話すといった動作や、存在する・存在しないといった状態を表す言葉だ。

具体例を使って見ていこう。まず、ダメな文章の典型例でありがちなのが、「○○○について」という一文だと私は思っている。

○Before:ダメな文章例
いい文章の書き方について
組織改編ミーティングについて

一見すると、問題なさそうな気がする。なにが問題なのだろうか? それは、結論がないことだ。じつは、これらの文章には結論がない。では、結論とはなにか? それはずばり、「動詞」なのだ。

あらゆる文章は動詞を核にして成り立っている

どんなビジネス文章も、最終的には結論に動詞が伴う。行き着くところ、「Do=やる」か「Don’t=やらない」の2つしかない。営業のミーティングを「やる」。広告施策を「やらない」。商品開発を「やる」。M&A(=買収)を「やらない」。これが結論だ。ということは、「動詞のない文章=結論のない文章」なのだ。

ただ、当然、「Do」と「Don’t」だけだと、重要な要素が欠けてしまうこともある。そのときにはじめて、5W1Hの出番になる。Why?(なぜ?)、When?(いつ?)、Who?(だれが?)、Where?(どこで?)、What?(なにを?)、そしてHow?(どのように?)を、付属的に追加するのだ。

じつは、こうやって文章は成り立っている。言い換えれば、文章とは、「動詞を核にして周辺が成り立っている」のだ。

その意味において、先の「○○について」という文章には、結論がないのだ。では、どうすればいいか? 【動詞の法則】を使うことだ。つまり、自分が書いた文章に、きちんと動詞が入っているかを確認して、入っていなければ必ず追加するのだ。たとえば、このような修正ができる。

○Before:ダメな文章例
いい文章の書き方について
組織改編ミーティングについて
○After:【動詞の法則】を使った文章例
いい文章の書き方をご紹介します
組織改編の進捗共有&ご相談

1つめの例では、「紹介」という動詞を加えた。これで、結論が加わったため、文章の意図がわかりやすくなった。読み手からすると、「紹介してくれるんだな」という結論がすぐに理解できる。2つめの例では、「共有」と「相談」という動詞を入れている。

ただ、これだけだと、まだわかりづらさが残る。そこで、あわせて使うべきなのが【目的ファーストの法則】だ。