ビジネスでは重要度の高い順で情報を並べる
思い出してほしい。【目的ファーストの法則】は、文章の目的が「相談」か「共有」か「意思決定」かを、まず伝えてから文章をスタートさせることだった。この「相談」「共有」「意思決定」という「目的」は、「結論」と言い換えることができるだろう。つまり、「結論を先にもっていく」のだ。
では、結論とはなにか? 前述したように、結論とは、動詞にほかならない。したがって、先ほどの例であれば、結論=動詞=「紹介」「共有&相談」を、文章の冒頭にもっていくべきなのだ。
修正すると、つぎのようになる。最初の「ダメな文章例」から、修正の流れを見ていこう。
いい文章の書き方について
組織改編ミーティングについて
○After:【動詞の法則】を使った文章例
いい文章の書き方をご紹介します
組織改編の進捗共有&ご相談
○After:【動詞の法則】&【目的ファーストの法則】を使った文章例
【ご紹介】いい文章の書き方について
【共有&相談】組織改編について
どうだろう? この工夫を施すだけで、文章はかなり相手に伝わりやすくなる。文章とは、「動詞=結論→そのほかのオマケの文章」という順番が、人間にとって理解しやすいのだ。
もちろん、ここで挙げた修正案は一例だ。絶対的な答えではない。しかし、このシンプルな変換から、私たちが学ぶことはとても多い。それは、文章の並べ方の問題だ。つまり、原則として、ビジネス文章とは、重要度の高い順から情報を並べるべきなのだ。そうすることによって、受け手は、「紹介してくれるんだな→なにを?→いい文章の書き方についてか」というふうに、重要な順番に、情報を理解できるようになるのだ。
短文は「なんだかんだ伝わる」
3つめは、【短文の法則】だ。とにかく文章を短く切るのだ。
もしかしたら、あなたは「長い文章を書ける=文章がうまい」と思っているかもしれない。しかし、これはまったくの逆だ。「短文を書けること」こそが、文章作成のコツであり、「わかりやすさ」のためには、まずはこちらをめざしたほうが100%いい。とにかく短く切ることだ。困ったら、とにかく一文を短く切る。これに尽きる。
具体的には、まず、
・形容詞:大きい・新しい・楽しい・かっこいいなど、物事の状態や性質を表す言葉
・副詞:ゆっくり・ときどき・かなり・ずっとなど、物事の程度や状態を表す言葉
・接続詞:そして・しかし・またなど、文章をつなぐ言葉
を、最小限に抑える。そのうえで、短く切ることだ。これが、【短文の法則】だ。なぜ、この法則が有効なのか?
まず、「短文」のすばらしいところは、「なんだかんだで、伝わること」にある。たとえば、下の文章を読んでみてほしい。
私は書きます。日記を。手帳に。今日。はじめます。
文章としては美しくないし、文法的に正しくはない。それでも、ほとんどの人には、なにが言いたいかはわかるだろう。