営業トークの上手い人は、なにを心がけているのか。営業コンサルタントの堀口龍介さんは「たとえば『いかがですか?』と言ってはいけない。できるだけシンプルな質問を投げかけたほうがいい。それは営業トークには『反比例の法則』があるからだ」という――。

※本稿は、堀口龍介『即決営業の超準備 売り込む前に売れる!』(秀和システム)の一部を再編集したものです。

オフィスでの商談
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ダメな営業マンは“長い質問”を投げかけている

お客様はたくさん話すことで気分がよくなり、心の扉を開いていきます。すると商談もいい雰囲気になり、成約率が上がります。では、ヒアリングでお客様をのびのび喋らせるには、どうしたらいいでしょうか? ポイントは質問の長さです。

まずNG営業マンは、複数の質問とトークをひとまとめにして、お客様に長い質問を投げかけます。保険営業ならこんな感じです。

「保険の見直しを検討されている方は、身内に大きなご病気の方がいらっしゃったり、急に亡くなった方がいらっしゃったり、というきっかけの方が多いのですが、現在の死亡保障を手厚くしたいというご要望の他に、三大疾病やお体が不自由になったときの保障、あと何かの保障が足りていないなど色々あると思いますが、○○様はいかがですか?」

こう言われても、何が聞きたいのかわかりませんよね。これが典型的なヘタクソ質問です。もう一度読んでも、質問のテーマが「保険を考えたきっかけ」なのか「保障についての希望」なのか「○○様の現状」なのか迷うくらいですから、口頭だとさらに混乱を与えてしまいます。

でもじつは、お客様に伝えたいことが多すぎて、こういう話し方になっている営業マンって結構多いんです。初心者だけではなく、ベテラン営業でも見かけます。その結果、お客様は戸惑い、どんどん口数が少なくなっていきます。