父の年金暮らしを見て現役時代から定年に備え
東京都多摩地域。現在68歳のマヤさん(仮名)は、日本住宅公団を前身とするUR都市機構が管理する賃貸住宅で一人暮らしをしている。間取りは1LDK。9畳のリビングダイニングに3畳のキッチン、6畳の和室を備えた自宅の家賃は、月におよそ8万円だ。
マヤさんが受け取っている年金は、国民年金と厚生年金を合わせて月14万円ほど。家賃の支払いで年金の半分以上が消えてしまう計算になるが、現役時代から定年後に備えていたという。
「自分は一生、賃貸で暮らすと決めていたので、85歳まで生きた場合の家賃分だけは貯金をしておきました」
URの賃貸住宅は年間の家賃を一括で支払える。貯金から家賃を支払い、手元に残った年金で暮らすようにしている。生活に困ることはないという。
「もともと出不精なので、外食も買い物も外ではほとんどしません。食事は基本的に生協の宅配を使っていて、月に4万〜5万円くらいかな。お店の買い物ってあまり好きじゃないんですよ。欲しいものが決まっているときに売っていなかったりすると、それだけでストレス。アマゾンや無印良品、ユニクロのオンラインショップで、日用品も服もネットで買ってしまいます。ネットの時代になって、私の時代が来たなと思っています」
年金について意識し始めたのは、自衛官だった父の定年後の暮らしを見たときだという。
「自衛官って定年がほかの仕事と比べると早い。それで、父は自衛官の後に会社員もやって。引退後は厚生年金と共済年金を両方受け取れたから、すごく豊かな暮らしをしていたんです。自分もちゃんと年金を受け取れるように働かなきゃと思いました」
選んだ仕事は病院の技師だった。生物や物理、数学が好きで専門学校に進学し、技師の資格を取得。大学病院や市立病院などで働いてきた。現役時代の平均年収は450万円ほど。
「研究と臨床が中心だったのですが、任期制の非常勤の仕事ばかりだったんですよね。一時期は文部科学技官として働いていたこともあったので、国家公務員共済にも加入していて、今では年間で1万〜2万円ほど給付を受けています。50歳目前に市民病院で常勤になって定年まで働き、その後は県立病院で再雇用の職員として、65歳まで働きました」
ここから先は有料会員限定です。
登録すると今すぐ全文と関連記事が読めます。
- 広告最小化で快適な閲覧
- 雑誌『プレジデント』が最新号から読み放題
- ビジネスに役立つ学びの動画が見放題
- 会員限定オンラインイベント



