監督就任1~2年目はリーグ最下位だったが、3~4年目は同2位になりクライマックスシリーズに出場。昨秋は日本シリーズまであと一歩だった。北海道日本ハムを率いる新庄剛志のリーダーとしての手腕を、その語録から経済ジャーナリストの桑原晃弥さんが紐解いた――。

※本稿は、桑原晃弥『常識を超えて結果をだす 新庄剛志の名言』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。

プロ野球の12球団監督会議に出席した(左から)ソフトバンク・小久保監督、日本ハム・新庄監督、オリックス・岸田監督=2026年1月20日、東京都内(代表撮影)
写真=共同通信社
プロ野球の12球団監督会議に出席した(左から)ソフトバンク・小久保監督、日本ハム・新庄監督、オリックス・岸田監督=2026年1月20日、東京都内(代表撮影)

新庄剛志と松岡修造の共通点

自分の100%を80%の力で出すために、
120、130になるための
練習を重ねていくしかない
スリルライフ 天才ではないが、天然でもない

ある時、元テニス選手の松岡修造が受験生から「試験で120%の力を出すにはどうすればいいですか」と聞かれ、「本番で100%の力を出せるのは年に1回くらいしかない」と話していたのが印象に残りました。

たしかに持てる力のすべてを出し切るのは大変です。それこそ心技体のすべてが整い、かつ試合当日の環境なども整ってこそ100%の力が出せるわけで、現実には体調の問題や、相手選手次第で100%まではいかないのが本当のところなのでしょう。

では、どうすればいいかというと、70%の力をコンスタントに出せるようにすれば勝てるようになる、というのが松岡からのアドバイスでした。

新庄剛志も80%の力でプレーするようにアドバイスしています。

新庄によると、打席に立った時、「絶対に打たないと」と力んでいると、身体に向かってきたボールをけることができず、デッドボールになることが多いといいます。守備についている時も、捕れるか捕れないかギリギリのボールにダイビングキャッチを試みると、後ろに逸らしたり、ケガにつながることがあるといいます。

反対にバッターに20%の余裕があると、ボールを避けたり、当たってもあまり影響のない場所にすることができます。野手にも20%の余裕があれば、冷静に判断して、適切なプレーができるのです。

つまり、100%目一杯の、余裕のないプレーはケガやエラーになりやすいというのが新庄の考え方です。

日本ハム選手時代の新庄剛志(2006年10月24日、札幌ドーム)
日本ハム選手時代の新庄剛志(2006年10月24日、札幌ドーム)(写真=Karumin/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

手を抜かずに地力をつける

とはいえ、なかには「自分は100%でないと勝負になりません」と言う選手もいます。そんな選手に対し、新庄はこうアドバイスしています。

「自分の100%を80%の力で出すために、120、130になるための練習を重ねていくしかない」

100%の力でないと通用しない。かといって100%では余裕のあるプレーができない。だったら、今の100%の力を120、130に高める努力をして、20%の余裕を持った100%で戦えばいい、ということです。

手を抜くのではなく、余裕のある100%の力を発揮するためには、努力して自分の力を高めることが何より大切なのです。

●ワンポイント 持てる力の80%で戦い、好結果を出せるように地力を高め続ける。