なぜ日本のフードコートは同じチェーン店ばかり入っているのか。経営コンサルタントの岩崎剛幸さんは「そこには構造的な要因がある。ただ、海外のフードコートと比較するとまだまだ成長できる余地はあるはずだ」という――。
タイムアウトマーケット大阪
撮影=プレジデントオンライン編集部

日本のフードコートは限界といえる3つの理由

日本各地にあるフードコート。「気軽に」「安価で」利用できるフードコートですが、心から満足している利用者はそう多くはないのではないでしょうか。なぜフードコートはこんな「金太郎あめ」のように同じ店舗ばかりなのか、まずはその要因を探っていきたいと思います。

記事後半では、今月21日にオープンした、JR大阪駅北口「グラングリーン大阪」南館内にある「タイムアウトマーケット大阪」について触れます。世界各地で事業を展開するシティガイド「タイムアウト」の編集者がキュレーションするフードマーケットで、日本初上陸となります。

筆者はこの施設が、これからのフードコートのゲームチェンジャーになるのではと思っています。その理由を、既存の日本のフードコートとの違いなどから解説します。

まずは今までのフードコートが抱える3つの限界についてです。

1980年代から日本に建設され始めたショッピングセンターの出店と共に日本にはたくさんのフードコートが登場しました。

日本には3092のSC(ショッピングセンター)があります(2023年度日本SC協会調べ)。この数とほぼ同数のフードコートが日本には存在すると推測できます。これ以外にも百貨店や駅、テーマパークや観光施設などにあるフードコートも含めれば、日本には4000店舗ほどのフードコートがあると見ていいでしょう。かなりの数です。

ある意味、日本のフードコートは飽和状態です。そこにフードコートの限界点がでてきています。