11月7日、九州発のディスカウント店、トライアルホールディングスは、首都圏に小型スーパー「トライアルGO」2店舗を開いた。業態や店舗の大きさは、イオングループの「まいばすけっと」を彷彿とさせるが、どう違うのか。経営コンサルタントの岩崎剛幸さんがリポートする――。
オープン直後のトライアルGO西荻窪駅北店
筆者撮影
オープン直後のトライアルGO西荻窪駅北店

関東に初進出した「トライアルGO」とは

九州を地盤とするディスカウントストアのトライアルHDが、老舗大手量販店であった西友を3826億円で買収し、完全子会社しました。そのトライアルが本格的に東京の西友をリニューアルし始め、店内には西友とトライアルの「スゴ×トク」商品が投入されています。それと同時に新規出店も開始しました。関東では小型スーパーのトライアルGOを拡大させていこうとしています。

このトライアルGO。オープン前からとても注目されていました。デジタル化、省人化した店舗づくりで、以前米国で注目されたアマゾンGOに似た店舗だからです。

しかし店で感じたのは、これといった特徴がなく、何がそんなにすごいの? という感じでした。

実際に行ってみて分かったトライアルGOの正体を解説します。

トライアルGOはJR西荻窪駅北店と西武池袋線富士見台駅北店の2店舗同時オープンでしたので、その両方に行ってきました。11月6日の開店前の準備状況、翌日のオープン初日、オープン2日目、そしてその翌週と立て続けに視察し、買い物をしてきました。

オープン初日の富士見台駅北店。
筆者撮影
オープン初日の富士見台駅北店。

ちょっと期待外れだった

両店共に駅から徒歩2分ほどの立地。マンションの1Fの居抜き物件に出店という、トライアルの必勝パターンでの出店形態です。居抜きでいくのが一番投資効率が良く、早めの投資回収が可能だから、トライアルは創業当初からこうした物件を狙い撃ちして出店してきているのです。

メディアの多くは西荻窪駅北店を取り上げていたため、こちらに人が集中している感じはありましたが、富士見台駅北店にも周辺のお客さんだけでなく、視察らしき人たちも来ていて注目度の高さを感じました。

私はトライアルGOの店舗を一通り見て、すこし拍子抜けしてしまいました。

理由は「特徴のない店だった」からです。

これだけ注目されている東京進出のトライアルGOは九州の店舗とも違い、とんでもなくおもしろい店を作ってくるのではないかと想像していましたが、極めて従来通りのトライアルGOがそこにはありました。ではどのあたりが「特徴がない」と感じたのかを整理してみます。