所要時間を伝えて相手のストレスを減らす
①目的は伝えた。さらに、わかりやすくするために、できることはなにか? それは、②所要時間も伝える、である。意外と、多くの人が見落としがちなことなのだが、とても重要なポイントなので、覚えておいてほしい。たとえば、こうだ。
「相談があります。10分で終わります」
「意思決定してほしいことがあります。重要な話ですので、60分はかかるかもしれません」
なぜ、所要時間を伝えるべきなのか? それは、「時間」がもっとも貴重な経営資源だからだ。上司や経営者にとって、重要事項に時間を使うことはけっして嫌なことではない。むしろ、それが1番大切だ。
一方で、大して重要ではない事項に、たくさんの時間を取られるのは絶対に避けたいことだ。そのため、事前に所要時間を伝えることで、時間を取ることに対して納得してもらう必要があるのだ。
目的がわからない文章は校長先生の話を聞かされているようなもの
目的も所要時間もわからない状態とは、どんなものか? それは、「この先、どうなるかわからない状態」だ。これは、間違いなく相手をイライラさせてしまう。
会話であれば、学生時代に聞いた、校長先生のつまらない話をイメージすればわかりやすいだろう。校長先生の話を延々と聞くことほど、ストレスなことはない。なぜか?
その理由は、「行き先がわからないから」なのだ。人は、行き先がわからない状態にきわめて強いストレスを感じる。だとしたら、そのストレスを低減させるには、どうすればいいか?
答えは、受け手に対して、ある程度の「話の予測」ができる状態をつくり出すことだ。校長先生の話がストレスフルなのは、受け手である私たちが、「この先どうなるのか?」「何分続くのか?」が、わからないからなのだ。話を聞く側のストレスは、話の予測ができるだけで、かなり下がる。では、なにを伝えるべきか? この答えを示すのが、【目的ファーストの法則】なのだ。