山口県庁を訪問した姿は「凱旋将軍」のようですらあった
持病の潰瘍性大腸炎の悪化に伴い首相を辞任した安倍晋三前首相が、早くも活発に動き始めている。
辞任してからまだ1カ月半しかたたないのだが、連日のように活発な動静が伝えられてくる。健康回復するのはもちろん好ましいのだが、自民党内部からは「ならば辞める必要はなかったのではないか」という皮肉が聞こえてくる。
安倍氏は11月1日から3日間、辞任後初の地元・山口県入りした。
2日には山口県庁を訪問。出迎えた約500人の職員を前に「7年8カ月、厚い支援を送ってくれた皆さまにお礼申し上げる」とあいさつした。村岡嗣政知事は「歴代最長の長きにわたり、重責を果たされた。県民を代表して心より敬意を表します」と呼びかけた。
その光景は、まるで凱旋将軍のようですらあった。安倍氏はこの3日間、後援者や地元の記者団を前に、首相時代に積み残した課題、憲法改正に向けても意欲を示した。
辞任してから3日後の9月19日、靖国神社への参拝を敢行
それだけではない。安倍氏は辞任後活発な動きをみせる。辞任してから3日後の9月19日、靖国神社への参拝を敢行。さらに1カ月後の10月19日にも参拝している。
首相時代は、中国、韓国などへの配慮から、13年12月に靖国参拝して以来自重していたが、首相を退任してその足かせが解けたということなのだろう。今後も足しげく通っていくことになるのではないか。
この他にも9月28日には自分の出身派閥である自民党細田派の会合に出席。同派所属議員と記者団らの私的宴席にサプライズ出席することもあった。宴席などでは、酒は控えめだが、ジョークも交えながら軽快なトークを繰り広げている。出席者が、3度目の首相登板への期待を口にすることもあるが、その都度、「そんなことはあり得ない」と全面否定しつつ、まんざらでもなさそうな笑顔を見せているという。