東京・目黒のミシュラン一つ星イタリアン「ラッセ」のオーナーシェフ・村山太一氏は、2017年からサイゼリヤ五反田西口店でアルバイトをしている。その最大の収穫は、チームマネジメント術だった。村山氏は「以前の自分は店の“王様”だったが、それが生産性の向上を妨げていると気づいた」という――。

※本稿は、村山太一『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

シンクで皿洗いをしている男性
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サイゼリヤ流チームの高級レストラン

僕が理想としているのは、文化祭みたいなチームです。

どんなに大変なことがあっても、楽しい。いろいろな工夫をすることが、楽しい。みんなで働くことが、楽しい。

上下関係もなく、差別をつくらない。みんながチーム全体のことを考えているから、お互いにフォローし合えて、いつも全体最適になっている。

そして、生産性が高い! なんでも言い合えるし、仕事ができない人すらも認めている。

今、それが実現できています。僕のレストランのチームは、基本的にはいわゆる高級レストランとは真逆です。

というよりも、サイゼリヤでのバイトを機に、高級レストラン特有の慣習は徹底的に見直したんです。かつては僕が王様でしたが、今は真逆でフラットな組織体制にしています。

僕がオーナーシェフで経営者ではあるのですが、気持ちとしては皿洗いです。

王様をやめたら人時生産性が約3.7倍になったんです。僕がたどり着いたのは、次のようなチームでした。