- 星付きオーナーシェフがサイゼリヤでバイトを始めたシリアスな理由
- 45歳の凄腕シェフが「サイゼリヤは飲食業界の理想郷」と断言するワケ
- サイゼリヤ流に変えたらスタッフの給与が1.5倍になった1つ星店の奇跡
東京・目黒のミシュラン一つ星イタリアン「ラッセ」のオーナーシェフ・村山太一氏は、2017年からサイゼリヤ五反田西口店でアルバイトをしている。その最大の収穫は、チームマネジメント術だった。村山氏は「以前の自分は店の“王様”だったが、それが生産性の向上を妨げていると気づいた」という――。
※本稿は、村山太一『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
サイゼリヤ流チームの高級レストラン
僕が理想としているのは、文化祭みたいなチームです。
どんなに大変なことがあっても、楽しい。いろいろな工夫をすることが、楽しい。みんなで働くことが、楽しい。
上下関係もなく、差別をつくらない。みんながチーム全体のことを考えているから、お互いにフォローし合えて、いつも全体最適になっている。
そして、生産性が高い! なんでも言い合えるし、仕事ができない人すらも認めている。
今、それが実現できています。僕のレストランのチームは、基本的にはいわゆる高級レストランとは真逆です。
というよりも、サイゼリヤでのバイトを機に、高級レストラン特有の慣習は徹底的に見直したんです。かつては僕が王様でしたが、今は真逆でフラットな組織体制にしています。
僕がオーナーシェフで経営者ではあるのですが、気持ちとしては皿洗いです。
王様をやめたら人時生産性が約3.7倍になったんです。僕がたどり着いたのは、次のようなチームでした。