ポンペオの演説に怒りを感じた

マイク・ポンペオ国務長官が7月23日に「Communist China and the Free World's Future speech(共産主義者の中国と自由世界の未来に関する演説)」を行った。

演説が行われた場所はニクソン大統領図書館・博物館であった。リチャード・ニクソン大統領は米中和解の立役者であり、同大統領に関する資料が揃った施設で中国共産党に対する対抗演説を行うことは米国の対中姿勢の歴史的な転換を意図したものと捉えてよいだろう。

アメリカと中国の競合の概念
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しかし、筆者はポンペオ国務長官の演説内容は遅きに失したものであったように思う。ポンペオ国務長官の演説内で示された対中認識は一部の細かな認識を除いておおよそ正しいものだ。

この演説は自由世界に属する国々に対して米国とともに中国に対することを求める演説であり、そのこと自体にも何ら異論はない。しかし、筆者はこのポンペオ演説に対しては、今更になって、われわれ日本人に偉そうにその程度の対中認識を述べるのか、という怒りが湧いてきた。そのような意味では、この演説は筆者が日本人であることを再確認する良い機会にもなったとも言える。