コロナ対策が評価された「台湾」と「韓国」

日本はコロナ対策では、クラスター対策で「人の記憶」に頼るコロナ対策を行っています。一方、韓国は「IT対策」でのコロナ対策を行ってきました。4月ごろの世界の論調は韓国の新型コロナ対策が称賛され、取り上げられていました。しかし、8月1日の今となっては、韓国でも第2波の到来から、人口100万人あたりの感染者数は(約279人)と、日本(約271人)と比較しても大差がなくなってきています。つまり、日本型の「人力対策」でも、韓国型の「IT対策」でも今のところ結果はそれほど変わらない状況なのです。全く違う結果を出しているのが「台湾」。国土、人口などはそれぞれ異なりますが、日本、韓国、台湾の対策をそれぞれみていくことで、参考にできる点は取り入れていくべきなのです。

フェイスマスクを着用した台湾の台北市の人々
写真=iStock.com/Olivier DJIANN
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東アジアにおけるコロナ死亡者数は、欧米と比べると格段に少ない状況です。その中でも、ITを駆使した対策をいち早く取れたのは、SARS・MERSの経験をした台湾や韓国が代表的です。総統や大統領が陣頭指揮を執り、検査数を増加させ、ハイテクを駆使して、ロックダウン(都市封鎖)なしで第1波を切り抜けました。日本ではオリンピック開催を控えて初期対応は遅れたにもかかわらず、死亡者数が非常に少ない点が謎と言われていますが、後ほど1つの要因について解説します。