7月9日、東京都内で新たに220人以上が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと、メディアが一斉に報じた。感染症専門医は「緊急事態宣言発動時のような自粛ムードを一斉に解除すると、たった2週間で元の状態に戻るというシミュレーション結果もある。再流行は簡単に起こる」と警鐘をならす。さて、コロナに感染する人と、しない人の違いは何なのか。重症化・死亡する人と回復する人の違いは何か。その答えは「免疫力」にあった。

死亡率は低いのになぜコロナは怖いか

2020年5月25日、全国で緊急事態宣言が解除され、日本で新型コロナウイルス感染症流行の第1波が去ろうとしている。だが、一部地域では再び感染者が増えるなど、まだまだ気が抜けない。世間を大きく混乱させた新型コロナとは、いったいどんなウイルスなのか。季節性インフルエンザと何が違うのか。感染症専門医であるKARADA内科クリニックの佐藤昭裕院長は次のように語る。

「新型コロナがインフルエンザと大きく違う点の1つに、『肺炎になりやすい』ということが挙げられます。インフルエンザによる肺炎は、高齢者など限られた人のみに起こるのに対し、新型コロナによる肺炎は比較的若い人にも起こっています。死亡率に関してはインフルエンザや他の感染症と同じで、年齢が高いほど上がっていくという結果が出ています。新型コロナの死亡率は、60代以下だと2%以下ですが、80代以上だと11%ぐらいになります。これは、すでに存在している細菌性肺炎と同じくらいの死亡率です。ただ、新型コロナは治療薬もワクチンもないので、かかってしまうと手の打ちようがないというのが他の感染症と違うところですね」