鏡に映る自分を見て驚愕 大切なものを失う気がした

私がボディビルを始めたのは44歳のとき、2014年に離婚したのがきっかけでした。我が子とも離れて暮らさなければならなくなったので、離婚後は孤独で、まるで心にポッカリと、穴が開いたような状態でした。

ジムで筋トレをする男性
写真=iStock.com/Nikolas_jkd
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家に一人でいると後悔の念と自己嫌悪に苛まれるので、家に帰りたくなくなり、憂さ晴らしに飲み歩くようになってしまったのです。

「今夜は3軒ハシゴした」なんてこともザラでした。それが8カ月ほど続きました。お酒は元来、大好きで毎晩のように飲んではいたのですが、あまりにも酒量が増えたので、会社の上司にも「アルコール依存症になったんじゃない?」と、心配される始末でした。

そんなある日、自分の姿を鏡で見て、愕然としました。「オレ、ただのデブのおっさんになってるじゃん!」と。自堕落な生活の報いだったのでしょう。自分では気づかなかったのですが、周りの人には、きっと劣化していく僕の残念な姿が見えていたのでしょう。

「このままじゃ、ヤバい。ダメ人間になって家族だけじゃなく、仕事やほかの大切なものまでも、失ってしまうんじゃないか」と、危機感を抱きました。そこで、約20年ぶりに本格的に運動を再開し、「ダイエットしよう」と考えたのです。

【写真】筋トレを始める前と後の白石さん

私は、もともとスポーツが好きで、小学生から高校生までは水泳、大学ではアメリカンフットボールに打ち込みました。大学卒業後も、社会人のアメフトチームで一時プレーしていました。

大学では体育学を専攻したくらいなので体格もよく、体力には自信を持っているつもりでいました。それだけに、当時の変わり果てた我が身に、ショックを受けたのです。

スポーツクラブには加入していたので、久しぶりに足を運んでみました。すると、館内に掲示してあったポスターが、目に飛び込んできたのです。

「ベストボディジャパン」という、年齢別の肉体美を競うボディコンテストを告知するポスターでした。「よし、この大会に出よう!」と、その場で決めました。「カッコいい体になって、別れた子どもにも自慢したい」と、思いついたのです。

減量中でも酒を飲む 厳しいルールは逆効果だ

ポスターを見つけたのが12月、全身写真を含む書類選考が3カ月後の3月だったので、焦りました。しかしいま振り返ってみると、それがかえってよかったのだと思います。“3カ月”という期限があったので、ウエートトレーニングやダイエットに全力投球できたからです。