「やせたい」と思っているのにダイエットが続かない人は、どこに問題があるのか。40キロの減量に成功した医療記者の朽木誠一郎さんが、科学的根拠に基づいたダイエット方法を紹介する。第1回は「僕がやせることを決意した理由」――。(第1回/全4回)

※本稿は、朽木誠一郎『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

男を測定する測定テープと彼女の腹部
写真=iStock.com/huettenhoelscher
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同棲中の彼女が出て行ってしまった

「わたし、デブはタイプじゃないって、ずっと言ってるよね」

体重計の数値が110キロ前後を行ったり来たりしていた初夏のある日、当時のパートナーがまっすぐに僕を見やり、こう言いました。めくれ上がったTシャツから突き出た腹を隠そうともせず、クーラーを効かせた部屋のソファでダラダラしている僕に、彼女がいつになく真剣な表情で詰め寄ったのです。

付き合うことになったとき、彼女が提示した条件は、たしかに「やせる」こと。それから1年半、「やせて」と言われる度にごまかし続け、やせるどころかさらに太り続けた僕に、ついにガマンの限界を迎えたのでしょう。

一方の僕はいつものように「わかってるって」「がんばるから」と返事をしました。しかし、事態は深刻。「もうずっとそれ」「ぜんぜん信用できない」そう言い残して、彼女は一緒に住んでいた部屋を出ていってしまったのです。

これはいよいよまずいことになったぞ──部屋に積み上げられていく段ボールと、それが日に日に運び出されていく現実を目の当たりにし、ようやくそう悟った僕は、そこから“ダイエット”を始めました。