なぜダイエットは続かないのか。体重115キロだった医療記者の朽木誠一郎さんは、何度もダイエットに挫折していたが、2つのアプリを使うことで40キロの減量に成功した。その意外な活用法とは――。(第3回/全4回)

※本稿は、朽木誠一郎『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

自宅のトレーニング中にスマート フォンを使用している人
写真=iStock.com/Tero Vesalainen
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「インスタダイエット」のすすめ

僕のダイエットは常にスマホと共にありました。減量中、もっとも活用したアプリは、実は写真・動画のSNSであるインスタグラムです。

東京大学大学院医学系研究科准教授で、健康格差対策を専門にする近藤尚己先生によれば、健康に大きな影響を与えるのが、まず「現実世界の人間関係」。仲の良い人が健康的な体型になったら「自分もやらなきゃ」と思うことでしょう。しかし、多忙な現代人においては、現実世界の人間関係が希薄になってきている、という別の問題もあります。

そこで朗報なのが、「近年普及しているSNS上のソーシャルインフルエンスも同様だと予想できます」という近藤先生の言葉。

たとえば「ダイエットします」と宣言することで力を得るのは、“コミットメント効果”という心理学的効果によるものだと考えられます。また、ダイエットする様子をSNSに投稿して“いいね”をもらうことをモチベーションにするうちに「どうすればより“いいね”がもらえるかな」とさらに努力するようになるのは「Pokémon GO」のような“ゲーミフィケーション(ゲーム化)”の一種で、ナッジ(「そっと後押しする」の意)としても有効です。

キーワードは「コミットメント効果」と「ゲーム化」。僕はダイエット初期、ちょうど95キロになったあたりで、インスタでダイエット開始を宣言しました。以降、体重計の数値を撮影した写真を繰り返し投稿しています(投稿は今も残してあるので、ぜひインスタグラムで朽木誠一郎/@amanojerkを検索してみてください)。