体重が減るごとに「声援」も大きくなる楽しさ

実際に宣言してみると、友人たちが「いいね」やコメントで励ましてくれることもあり、「後に退けないぞ」という感じがして、ダイエットが捗ります。なるほど、これがコミットメント効果だったのですね。体重が80キロ台になり、80キロ台前半になり……と数字が減っていくごとに、ネット上の「声援」も大きくなっていきました。なんと、ただダイエットをするだけの30代男性のインスタアカウントを、この頃には1000人以上の人がフォローしてくれるようになったのです。初期のフォロワーさんは友人や知り合いだけでしたが、この頃には次第に、ハッシュタグ経由のフォローも増えてきました。

インスタはダイエットに関連するハッシュタグ(たとえば「#ダイエット」なら、他の人のダイエットに関連する投稿をまとめて閲覧できるタグ)がたくさんあり、がんばっている他のアカウントを見て、あるいは「いい体」に仕上がっている人気アカウントを見て、やる気を出すことができます。現実の人間関係の延長、むしろ現実世界ではつながっていない人ともつながることができるので、ダイエットにはより優秀なツールと言えるかもしれません。

しれっと投稿しなかった日もあるけど…

とはいえ、最初は体重が減ったときだけ、バランスのいい食事ができたときだけ、ちゃんと運動したときだけ、「ええカッコしい」でアップしていた、というのが正直なところです。会食の中華で出てきてしまった担々麺を食べてしまったり、家で一日中ゴロゴロしていたりした日のことは、しれっと投稿しませんでした。それでも、「健康によい」ことをしたときの投稿時に「いいね」をもらったり、フォロワーさんが増えたりすることによって、「もっとバランスのいい食事を」「もっと運動を」と投稿の頻度が上がります。いつの間にか、SNSをゲーム化して利用していたわけです。

肥満者にとって、食べたいものを食べる、動きたくないから動かない、というのは抗いがたい目先の利益です。「将来、病気になる」と言われてもピンときません。しかし「変わった、あるいは変わろうとしている自分を、周囲の人が応援してくれる」、もっと具体的に「『いいね』が増える」「フォロワーが増える」というのは、同様に魅力的な目先の利益です。目先の利益には目先の利益で対抗しましょう。