投資の秘訣は「4割負けて6割勝つ」

私が投資で資産10億円を稼ぐのに至ったのは、投資に耐えうるメンタルを手に入れたおかげです。マーケットは無秩序で不確実で、投資家を翻弄します。そこへ立ち向かうのに、安定した強いメンタルは欠かせません。感情に左右された投資は、必ず失敗します。

メンタルが不安定な投資家には、共通する特徴があります。第1に「相場はコントロールできる」と考えていることです。私自身、リーマンショックなどで2度の追証(追加保証金)を食らうまでは、相場と向き合って一喜一憂するばかりの投資家でした。投資家がコントロールできるのは、買い時を見極めるエントリーポイント、銘柄の選択、リスク管理、自分のメンタル――この4つしかありません。そう割り切って、自力でコントロールできる部分だけに集中することが大切です。

成功した多くの投資家は、「相場は我々の理解が及ばないもの」「予想の半分は当たらない」とわきまえています。相場を確率で考えて「4割負けて6割勝つ」を目標に、予測が外れても左右されないメンタルを身につけることが、投資で勝つ秘訣だといえます。

メンタルが不安定な投資家の2つ目の特徴は、自分の頭で考えないことです。理解できない現象が起こると他人のせいにして、ひたすらネガティブな心理に陥ってしまうのです。

関係者から「投資を始めても3年ほどでやめてしまう人が多い」という話を聞いたことがあります。3年の間には1回くらいは暴落が訪れるものですが、金融機関から見せられる「30年で資産が倍になる」といった宣伝文句を鵜呑みにしている人は、「聞いていた話と違う」と先行きに不安を感じて離脱してしまうのでしょう。儲かることばかり信じて、自分で調べて腑に落ちるまで考える習慣がないせいです。

人が不安になるのは、先が見通せないときです。知識や応用力が増せば相場で起きるパターンを読みやすくなるので、予測が当たらなかったとしてもメンタルは格段に安定します。株式投資は、職人仕事のような技術の世界です。正しいエントリーポイントで適正な資金を投じて、適切に利益確定できる取り引きを繰り返す――。平常心を保って成功パターンを淡々とこなせるようになれば、儲かる確率は高まっていきます。

損が出ても落ち込まず、利益が出ても驕らず、常に動じない。そんな平常心を保つために3つのスタンスが大事だと私は考えています。

まず、「余裕資金を使う」。借金までして株を買えば、元を取らねばと焦り、冷静を保つことは困難です。

そして、「負けがあるゲームだと認識する」。コロナ禍以降に投資を始めた人は資産が減ることに対する免疫があまりないはずですから、特に注意すべきでしょう。最初は少し負けて、株の怖さを知っておくくらいが理想なのです。私は株を始めた頃の失敗を箇条書きにして、デスクトップのメモ機能で表示し、常に目に入るようにしていました。

「本業を持っておく」のも大切です。投資だけで生活しようとすればプレッシャーを受け、精神的ダメージを被りやすくなります。投資以外の確実な収入を確保しておくと、メンタルの安定につながります。

(構成=石井謙一郎 図版作成=大橋昭一)