普段、AIをバリバリ使いこなしている人ほど、実は運を逃しているかもしれない……。時短、問題解決、正解探しといった正攻法ではたどり着けない「AI開運術」を、3人の賢者が紹介する。
時間運
限られた時間の中で「試行回数」を増やす

運とは結局「試行回数」の問題だ

僕は、運とはシンプルに「確率×試行回数」だと思っています。

けんすう(古川健介)
けんすう(古川健介)
起業家、エンジェル投資家、アル株式会社代表取締役。学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年にリクルート入社。新規事業担当を経て、09年にロケットスタート(後のnanapi)を創業。独自のキャリア論を説いた『物語思考』(幻冬舎)も話題に。

例えば、「運よくいいクライアントに出会えた」という人がいたとして、実はその人は裏で100社くらいにアプローチしていたりします。仮に成功確率が1%の勝負だとしても、100回挑めば少なくとも1回当たる確率は約63%になります。そう考えると、そんなに悪い勝負ではないですよね。

とはいえ、人生の時間は限られているので、試行回数を100回稼げる人はそういません。だからこそ、数少ない成功者は「運のいい人」として注目されるのでしょう。

多くの人は、何かを始めようとするにあたって、準備や下調べに時間と使いすぎてしまいます。すると、どうしても行動するのが遅くなり、試行回数が減ってしまう。婚活を25歳から始めた人と35歳から始めた人とでは、前者のほうが運命の人に出会える確率が高いのは、年齢の問題以前に試行回数が違うからです。

「今できる最初の一歩」がイヤでも明確になる

この観点に立ってAIの使い方を考えてみると、運が悪い……というかチャンスを逃す人は、AIを単なるリサーチツールとして使い、情報を集めるだけで終わってしまう人です。一方で、運を開く人は、意思決定のスピードを上げ、試行回数を稼ぐためにAIを活用します。

何か新しいことに挑戦したいときに、「本当に自分にできるのか」とか「失敗しないためにはどうすればいいか」などと考えていると、それだけであっという間に時間が過ぎてしまいます。

ここで必要なのは、とにかく行動に移すために「今できる最初の一歩」を明確にすること。それこそが、まさにAIに尋ねるべきことです。

試しに「ポッドキャストで起業したいけど、最初の一歩として何をすればいい?」とAIに聞いてみましょう。

即座に具体的なタスクが示されます。その解答の一部を下で紹介しましたが、実際には「ステップ⑤」まで考えてくれました。これなら、誰でも動き出せるイメージが湧くはずです。

【図表】何か新しいことを始めたいとき、具体的なファーストアクションをAIに尋ねる

「起業したい」と言いながら何年も動かない人は大勢いますが、本当に起業する人は、その日のうちに動き始めるものです。そうやって立ち上がりの時間を短縮することで、何回も試行できる余地が生まれ、結果として当たりを引く確率が上がるのです。

(構成=藤田美菜子)