破棄の取り消しは失効期限の6時間前だった
駄々っ子とは聞き分けのない子供のことだ。日本とアメリカがいくら説得を続けても言うことを聞かなかったのに、韓国は土壇場になって折れた。軍事情報を共有するための協定が継続されたことにはほっとしたが、韓国も文在寅(ムン・ジェイン)大統領もわがままな駄々っ子そのものではないか。
韓国大統領府は11月22日、文大統領も出席して国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、8月に日本に破棄を通行した「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」について、失効を回避することを決定し、日本政府に連絡してきた。
回避決定は、失効期限(23日午前0時)の6時間前だった。韓国は半導体材料などの輸出管理をめぐる日韓協議の再開と引き換えに方針を転換し、GSOMIAの破棄を取り消した格好だ。
「いつでも失効できる」とは思い上がった言い方だ
韓国政府は失効を回避することを決定した後、金有根(キム・ユグン)国家安保室第1次長が記者会見した。
「いつでもGSOMIAを失効できるという前提で、破棄を取り消した。日本の政府も理解を示した」
「輸出管理政策の対話が正常に進んでいる間は、日本を提訴したWTO(世界貿易機関)の手続きを停止する」
金氏の「いつでも失効できる」という発言は、思い上がっている。韓国ギャラップの世論調査によると、破棄支持が51%で、破棄不支持の29%を大きく上回っていた。韓国国内に向けたプロパガンダもあるだろうが、それにしても「失効を回避させてあげたのだから日本は輸出の管理の厳格化を緩めなさい」と受け取れる発言である。
WTOの手続きの停止も当然なことであり、「対話が正常に進んでいる間」という韓国の言い方は恩着せがましく、自己中心的な駄々っ子の主張である。これからも間違いなく、日本は韓国の対応に苦労する。