アメリカの軍事力の貢献を、文大統領は理解していない
文在寅大統領は南北の融和を重視しすぎる。その結果、北朝鮮や中国、それにロシアの勢力拡大を助けている。
北朝鮮は国際社会の忠告を無視して核・ミサイル開発を推し進め、中国は南シナ海に軍事拠点となる人工島を設けるなど海洋に進出している。ロシアも虎視眈々と近隣諸国への影響力強化を狙っている。
東アジアの中でアメリカの強い軍事力があるからこそ、具体的にはアメリカを中心とするGSOMIAという軍事協定が存在するからそこ、独裁国家を誕生させる共産・社会主義勢力の膨張を食い止められている。そこを文大統領はまるで理解していない。
「ひとまず安堵できても、問題の根本は手つかずだ」
朝日新聞(11月23日付)の社説も信頼回復を冒頭から求めている。
「日韓の安全に資する協定が、かろうじて救われた。ひとまず安堵できても、問題の根本は手つかずだ。理不尽な事態を繰り返さないための健全な関係回復に本腰を入れるべきだ」
さらに朝日社説は訴える。
「日米韓は、この協定を主要な回路の一つにして、安全保障の情報をやりとりしている。破棄となれば、共同歩調に悪影響が出ることが懸念されていた」
「北朝鮮の不穏な動きが続くなかで、日韓関係がここまでこじれたのは不毛というほかない。今回の失効回避を機に、両政府は国民の実利を損ねる負の連鎖を止めなければならない」
「国民の実利を損ねる負の連鎖」とは朝日社説好みのわかりづらい表現だが、要は国民の利益につながらないということを言いたいのだろう。歴史認識において日本と韓国は大きなズレがある。そこを一歩一歩、山を登るようにして日韓が努力を重ねていかない限り、負の連鎖はなくならない。