上司・同僚が自分より低学歴

学歴は多くの人にとって、程度の差こそあれ関心事の1つでしょう。世の中ではやはり高学歴の人ほど一目置かれるのは確かです。その結果、学歴コンプレックスを抱く人が出てきます。

人は誰でも「自己評価動機」を持っていて、自分を他人と比べて能力などを自己評価したいという気持ちがあります。自分の位置づけがわからないと不安だからです。その自己評価の軸は1つではなく、人柄や人望、仕事力などいろいろありますが、それらははっきり目に見えない。それに対して学歴は客観的ではっきりしているので、評価軸として非常にわかりやすいのです。

心理学用語で「対人認知」といいますが、人は他人を見るとき、「人間関係軸」と「能力軸」の2つの軸を使います。そして、その人の能力を判断する際、誰もが納得しやすい指標がやはり学歴なのです。学歴を見て「たぶん頭がいいだろう」とか、「それほどでもないだろう」と考える。

そして、職場で学歴コンプレックスの強い人が、高学歴の人の些細なミスに対して、「東大卒でもそんな間違いをするんだね」などと嫌みをいったり、うれしそうな表情をしたりして失敗を喜ぶ。周囲からすると非常に見苦しくてカッコ悪い行為なのですが、コンプレックスは無意識のうちに人を動かすので、本人はそれに気づきません。