怒りは「自己に対する過大評価」から生まれる

同期で最初に昇進したり、大役に抜擢されたりすると、それまで仲のよかった同僚から嫉妬されるというのはままあることです。会議での発言と同様、嫉妬する側にはやはり「喪失不安」があります。本人は「自分が出世してしかるべきだ」と思い込んでいるため、「自分が手にして当然なはずの幸福をその同期に奪われた」と考えるのです。

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嫉妬には怒りも加わります。この怒りは「自己に対する過大評価」から生まれます。実際にはたいした能力があるわけでもないのに、自分はスゴイと勘違いし、自分がそのポジションに就いて当然だと信じ込んでいる。このように自分の能力を過大評価している人は、特に嫉妬心が強いので警戒が必要です。

自分を過大評価する人は往々にして自己愛が強いようです。それには家庭環境も影響していて、親に溺愛されて育つと自己愛が過度にふくらみます。

その結果、自分はこんなにデキるのに、世の中に評価されないのはおかしいと考える。そして、承認欲求が満たされないせいで生じる欲求不満による怒りを嫉妬の対象にぶつけるのです。