過去最大規模となった中国の軍事パレード
中国は10月1日、建国70年(国慶節)を迎えた。
北京中心部の天安門周辺で実施した軍事パレードでは軍備増強を誇示し、アメリカの軍事力に対抗する強い意志を示した。今後、貿易面で圧力をかけてくるアメリカとの間で、軍拡競争が激化することは間違いない。
報道によると、軍事パレードには約1万5000人の兵士に、約750のミサイルや戦車、軍用機などが参加した。中国や北朝鮮などいわゆる一党独裁国家、独裁政権はこの手のパレードが大好きのようだが、今回の中国の軍事パレードは過去最大規模となった。中国国防省によれば、兵器や軍用機はすべて中国産だという。
いまから30年前の1989年6月3日夜から翌4日朝にかけて、この天安門広場でイギリス外務省の公文書では「1000人から3000人」、中国政府の発表では「319人」の死者が出た。市民が戦車によって踏み殺されるシーンは、世界に衝撃を与えた。その光景が脳裏に浮かび、中国の建国70年を伝えるテレビ画面から思わず目をそらした。
金正恩と習近平の政治思想は親子のように似ている
軍事パレードで初公開された、極超音速兵器を搭載した「東風17号(DF-17)」は、アメリカにとって大きな脅威だろう。極超音速兵器はアメリカもロシアもまだ開発段階にあるうえ、これまでのミサイル迎撃システムでは撃墜が困難だからである。新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「DF41」も初公開されたが、これはアメリカ本土全体を射程に収め、核弾頭10個を搭載することが可能だ。
いずれの兵器も大量殺人が可能なだけに、テレビに映し出されたその映像は不気味さそのものだった。
中国の軍事パレードは北朝鮮のそれとよく似ている。いや、北朝鮮が中国をまねて軍事パレードを繰り返しているのだ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と中国の習近平(シー・チンピン)国家主席。2人が目指す政治は息子とその父のように似ていると思う。