通勤ラッシュや、嫌な上司とおさらばして、自由に働くことは夢物語なのか。そんなことはない。フリーランスとして成功した人から、その秘訣を学ぼう。
会社を辞める前に最低限考えておくべきこと
会社から離れ、いわゆる「フリーランス」として独立する魅力は大きい。午前中のジョギングもありだし、自宅のバルコニーからはもちろん、パリのカフェからでも仕事は可能だ。子どもが病気になっても休暇願を出す必要もなく看病できる。
しかし、独立は簡単なことではない。軌道に乗るには少なくとも1年はかかるだろう。
まず次の定職が見つかるまでの一時的な策なのか、もしくは個人事業主という仕事で食べていくつもりなのかをはっきりさせよう。目標が定まれば、自ずと進む道も明らかとなる。
短期間だけなら、求職活動の時間を確保しながらも、できるかぎり早く、多くの仕事を得ることだ。だが長期的な志を持って独立を目指すならば、より慎重に事を進めるべきだ。
退職を決める前に、あるいは転職先を探すのをやめる前に、自分は専門分野でどれほど認められているのか、持っているスキルの需要はどれほどあるのかを検討してみよう。
次に財政状況を考えてみる。自分や家族を養うためにはいくら必要なのか。貯金はあるのか、スポンサーはいるのか、家計を分担してくれるパートナーはいるのか。もしそうした財源があるのなら、リスクを取る余裕もあるだろう。きちんと稼ぐまでには時間がかかるのが普通だから、長期にわたってフリーで働けるのは、家計支出がより少ない人かもしれない。
まずは、なぜ独立したいのか正確に認識することが大切だ。自分は何を望んでいるのか―自由か、柔軟性か、多様性か。起業してみたいのか、それとも単に上司の監督の下で、組織の一部として働くのが嫌なのか。固定給をもらい、それなりに安定した会社員と比べ、その価値観は自分にとってどれくらい重要なのか。自分の生き方を貫くため、不安定な環境にどれほど耐え抜く意思があるのか。