独立開業の準備を兼ねて副業をする人もいる。西岡二郎さん(仮名・44歳)は、3年前、20年間勤めた不動産会社を退職し、1年間の猛勉強のすえ、社会保険労務士の資格を取得した。
「好不況の波もあるし、会社が永遠にあるとも限らない。路頭に迷わないためには、ずっと必要とされる仕事で独立開業する必要があると考えました」
現在は、会計事務所に勤務するかたわら、会社の許可を得て有給休暇を使い、月1~2回、社労士の業務を行っている。
「本業の年収は900万円から650万円に減りました。副業の収入は月3万~5万円程度。でも、知識や経験を積み、顧問先を得るための人脈づくりが目的で、勉強すること自体が楽しいんです」
FX(外貨証拠金取引)で副収入を得ている人もいる。旅行会社勤務の山本浩二さん(仮名・41歳)は、3年ほど前からFXを始めた。取引を始めた当初は、欧米やオセアニアと日本との金利差が大きかったうえ、円安基調が続いていた。
「外貨を買って保有していれば、毎日スワップ金利が貯まり、為替差益も得られた。レバレッジは20~30倍くらい。月10万円くらいは軽く儲けてました」
だが、現在は「そんなに簡単には儲けられない」と嘆く。当時とは金利も相場の状態もまったく変わっているからだ。
「今はレバレッジを100倍かけて、経済指標の発表など相場が大きく動きそうなときだけデイトレードしています。取引時間はもっぱら夜間でかなりハイリスクですから真剣です。1週間、毎晩取引して20万円以上稼いだこともありましたが、金曜日の午後にはぐったり……。これじゃダメだと反省しましたよ」