締め切りを守れない、仕事が必要なレベルに達しない、計算を間違えてばかり……。困った同僚のミスに巻き込まれたらどうするか。対等な立場から原因を分析し、対処する法を伝授しよう。
上司でないあなたはダメ同僚のミスにどう対処できるか
職場の建設的な人間関係が職務遂行に不可欠であることは、あらゆる専門家が認めるところだろう。では、同僚が責任を果たさず、あなたの仕事に影響をおよぼしているときは、どうすればよいのだろう。
期限に間に合わない、仕事が必要なレベルに達しない、計算を間違えるなどのミスは、知識や経験が足りないとか、ミスに気づいていないといった他愛ない原因のためかもしれない。
まず、問題が短期的なものか、長期的なものかなどを見きわめよう。バブソン大学のグローバル・リーダーシップ論教授で、『影響力の法則』の著者としても知られるアラン・コーエンは、次のように指摘する。「その同僚は適切な支援を受けていないかもしれないし、私生活で問題が生じているのかもしれない」。
まずは他の同僚から話を聞こう。あなたのとらえ方は彼らのそれと一致しているだろうか。MITスローン・スクール・オブ・マネジメントの経営学教授であるデボラ・アンコーナは、慎重な行動が大切だと言う。
「問題に気づいていない人にわざわざ気づかせる必要はない」。
次に、その同僚と直接話をすることだ。あくまで内密に話し、相手を責めたりしてはいけない。
「われわれはうまくいかないことを個人の性格的な問題のせいにするきらいがある」と、ハーバード大学の心理学教授、リチャード・ハックマンは語る。
まずは共通の認識を築くために、互いの目標という文脈の中で問題を話し合うべきだ。「『どうすればわれわれの目標を達成できるだろう』と問いかけることだ」と、ハックマンは言う。