夫婦共働きで世帯年収1000万円超の30代夫婦は、外食、高級ワイン、デパートでの買い物、スマホゲーム、海外旅行など、自由気ままにお金を使っていた。だが、稼ぎ頭の妻が育児休暇に入ると、毎月の家計は9万円の赤字に転落。ファイナンシャルプランナーに泣きついてきた。夫婦は家計の危機をどう乗り越えたのか――。
稼ぎ頭・妻の育児休暇中に赤字家計に転落
「育児休業に入ってから、毎月赤字になっていて、心配なんです」
マスコミ業界で働く都内在住の吉岡和美さん(34歳・仮名)は昨年9月に育児休暇に入りました。もともと吉岡家の手取り月収は和美さんが約31万円(ボーナス年120万円)、夫の翔さん(38歳・仮名)が約28万円(ボーナス年60万円)です。世帯の手取り年収は約888万円で、額面年収は1000万円を軽く超えていました。ところが育児休暇に入ったことで、和美さんの月収が8万円減って約23万円となりました。
赤字の補填に回しているのは、これまでに夫婦で作った貯金です。現在の金額は180万円ですが、毎月減っているため、「いま手を打たないと大変なことになる」と強い危機感を抱いているといいます。
あるだけ使う無防備家計 アブダビ旅行で100万円消費
昨夏の出産および育児休暇取得に合わせ、和美さんは家計も自分で管理することにしました。子どもが生まれるまではいわゆる「夫婦別会計」で、夫婦それぞれに好きなようにお金を使い、貯金はあまりできなかったといいます。週の半分は外食し、洋服や化粧品はデパートで定価購入。ボーナス時には、アラブ首長国連邦(UAE)の首都・アブダビへ旅行に行くなど、2人で海外旅行に100万円近く使うことも少なくありませんでした。
育児休暇に入ったことで自身の月収が約8万円減った和美さんですが、基本的に3年前に夫と共有名義で購入したマンションで過ごしているので食費や交際費、洋服代も自然に減っていくだろうと楽観視していました。家計簿にも初めて挑戦し、レシートを見ながら記入する作業が新鮮で、最初はワクワクしたそうです。
しかし、実際には思惑通りにはなりませんでした。