保険を正しく選ぶには、どうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみ氏は「保険加入の際は、支払いと保障額のバランスをよく考えるべき。最近は保険料月7000円台で最大1億円超の保障を得られるコスパの高い商品もある」という――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/gyro)

みんな悩む「生命保険にどれくらい入ればいいのか?」

消費税の引き上げが目前に迫っている。2019年10月、現状の8%から10%への引き上げは原則として確定路線になっている。膨大な増税対策のひとつに住宅も含まれており、消費税のかかる建物部分は住宅ローン減税で手当てされる(従来の10年間減税後の11年目以降、3年間で増税分2%、もしくはローン残高の1%、いずれか低いほう)。

現状で慌てて買うような状況にはなっていないが、その際にセットで考えるべきものが生命保険の加入だ。

結婚して子どもが生まれて家を買う……。多くの家庭はこのプロセスをたどる。そして住宅購入時には保険や家計の見直しをするにも良いタイミングだ。筆者の元にも小さなお子さんを抱えた夫婦が住宅購入の相談に多数訪れる。そこで聞かれるのは、次の問いだ。

「生命保険にどれくらい入ればいいのか?」

つまり保障と保険料のバランスをどう取ればいいか。これは誰も正解を教えてくれない。保険代理店の窓口を訪ねれば、商品の説明はしてくれる。いろいろな保険も勧めてられる。しかしそれが最適な「アドバイス」なのか、それとも「セールストーク」なのか、見極められない。その判断ができるのであれば、わざわざ窓口を訪ねる必要はない。

結局は自身で判断するしかない。しかし保険は非常にややこしい。どのように判断すればいいか?

あえて乱暴に言えば「大雑把」でいい。なぜなら予定通りに貯金を貯めて、予定通りのタイミングで亡くなる人はいないからだ。投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットは株や投信など金乳商品を購入する人へのアドバイスとして「厳密に間違えるより、大雑把に正しいほうがいい」といった趣旨の発言をしている。これは同じく金融商品である保険にも当てはまる。

「1億円の生命保険に入ってもいい」と言える理由

この考え方をベースに、筆者は、比較的収入が高い夫婦に「1億円の生命保険に入ってもいい」とアドバイスをしている。

このFPはいったいどれだけの生命保険を売りつけるつもりだ、と思われるかもしれない。だが、筆者は保険を一切売らず、有料のアドバイスを提供するFPだ。保険代理店などの紹介もしておらず、保険会社のセミナーなども全て断ってアドバイスに特化している。

相談時に手厚い保険への加入をアドバイスすると、「独立したFPは保険なんて要らないとアドバイスするものだと思っていた」と相談者から驚かれることもある。

なぜ保険を売らないFPが1億円の生命保険の加入を勧めるのか? そのココロを説明してみたい