あと半年で妻の収入は14万円に減額「赤字拡大は確実」

支出額は、子どもがいなかった時と同じか、月によってはそれより多くなってしまったのです。子どもが生まれ、世帯収入が減っても、夫婦そろって以前と同じようなお金の使い方をしたわけです。「あればあるだけ使ってしまう」という浪費癖はそう簡単には直りません。

聞けば、マンション購入前の家計はおおむね黒字で、しっかり積み立てて頭金も用意できたのですが、購入後は気分が大きくなったのか毎月約51万円の手取り収入に対して、支出はローン返済(月12.6万円)を含め55万~60万円に達したといいます。最大月9万円もの大赤字になっていたのです。

「その浪費が出産後も続いて、この6カ月間の累計赤字は約50万円にもなっていました」(和美さん)。育児休暇がさらに半年経過すると、和美さんの収入は約半分(14万円)になるため、赤字はさらに膨らむことは確実です。

「家計簿さえ頑張ってつけていれば、自然に支出は減っていくものだと思っていました。でも何にも変わりません。というか、激減……。家計簿ってどう使えばいいんでしょうか」(和美さん)

はじめての子育てをしながら、家計簿をつけるのは大変

はじめての子育てをしながら、家計簿をつけるのは大変なことです。まして、家計簿をつけても赤字がなくならないのですから、気分が落ち込むのも理解できます。

しかし、家計簿を「つけるだけ」では何も変わりません。つけた家計簿を見て、「いま必要なものを買っているか」「必要な量だけ買っているか」「納得できる値段か」をふりかえり、お金の使い方を変えることが大切なのです。

また、食費にいくら、日用品にいくらと、費目別の予算感も持ってほしいと思います。特に以前より収入が減ったときは、「これからはこれだけしか使えない」と、「上限」を意識することで、支出の増加を食い止めることができます。

「私だって費目ごとの予算を決めていました。食費5万円、日用品費1万円、洋服代5000円などですが、予算を決めてもどうしても守れないんです」(和美さん)

予算は決めたら終わりではありません。「予算を守るためには、まず節約、まず我慢」と考えがちですが、そうした精神論ではなく、「予算を守る仕組み」を作るといいと思います。