週刊誌への抗議署名「5万人」の実数は

署名サイト「Change.org」では、自らが主張する事柄に対して自由にキャンペーンを立て、ページで署名を募ることができる。誰でもキャンペーンを作り、SNS上で拡散をすることができるため、自らの置かれている立場にかかわらず、共感を呼ぶキャンペーンは多くの共感と署名を集め、訴えたい相手に「これだけの人が、このキャンペーンに賛同している」とメッセージを伝えることができる。

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同サイトをめぐっては2018年末、大きな話題となった出来事があった。

国際基督教大学4年生の山本和奈さんは18年12月に出版された「週刊SPA!」の特集内記事「ヤレる女子大学生RANKING」に対し、「女性を軽視した出版を取り下げて謝って下さい」というキャンペーンを立ち上げた。和奈さんの問題提起は多くの賛同を集め、最終的に「5万人」を超える署名が集まった。これを受けて週刊SPAは19年1月9日にHP上で謝罪文を掲載。同22日発売の同誌にて「女性の尊厳に配慮を欠いた」と謝罪した。

和奈さんの主張が「5万人」以上の署名を集めたのであれば、彼女の想いは多くの者に共感される妥当性があったと判断していいだろう。

一方で、彼女が利用したChange.orgの信ぴょう性などを疑問視する声もネット上で上がっている。

19年に入り、14歳の女子中学生と名乗る「山本あすか」さんが「東京望月衣塑子記者など特定の記者の質問を制限する言論統制をしないで下さい」というキャンペーンを立ち上げた。しかし規約ではプラットフォームの利用は16歳からとなっており「なぜ14歳のあすかさんが署名活動をしているのか」といった指摘があった。また規約には「16歳未満であることが発覚した場合、弊社はユーザーのアカウントを停止します」との記載もあるが、このキャンペーンとあすかさんのアカウントは依然、閉鎖に至っていない。ちなみに、あすかさんは嫌がらせや誹謗中傷を恐れ、自らの名前が仮名であることも公表しているが「仮名での署名活動に意味はあるのか」という疑問も拡がった。

そんな中、プレジデント誌編集部に驚くべき情報提供があった。情報提供者は「Change.orgのシステムは署名サイトとして信用に足るものではない。それを証明するのでとあるキャンペーンを見ていてほしい」と主張した。