札束見ながら、ニヤニヤしています
AKB48グループのヒット以来、“会いにいける”アイドルブームが年々過熱し、その規模も拡大の一途を辿っている。さらにいま、アイドルはより客に近づいてきている。コアなファンのみに囲まれる地下アイドルよりもさらに身近で、そこまで容姿が優れていなくてもなれるフリーランスのアイドルが市場に登場してきた。
都内の私立高校3年生の浅井ゆうかさん(仮名・18歳)も、かつては“一流”のアイドルを目指していた。取材班の印象では、見た目はいたって普通の女子高生という感じだった。
「小5のころからアイドルを始めました。レッスンとライブが続く毎日で休む暇すらないのに、給料はレッスン代も引かれて月1万5000円ほど。バイトにも程遠い仕事でした」
浅井さんは、高校1年の夏まで複数の事務所を移籍しながら、地下アイドルとして4つのグループを経験。連日遅くまでライブをしていたというが、どれも売れずに解散に至った。
そんな彼女に転機が訪れたのは15歳のとき。客がつかないライブへの集客目的で始めた都内某所での撮影会モデルを始めたのがきっかけだった。
「水着や私服を着て、雑居ビルのフロアを貸し切った撮影スタジオで時間を決めてカメラマンに撮影してもらうというものです。事務所所属のアイドルもいますが、普通の女子大生やアルバイトをしながらスキマ時間に撮影モデルをする子もいます」
料金はスタジオによって異なり、3時間で1万~1万5000円ほど。撮影会を開くスタジオが運営費を抜いた残りが彼女の取り分だ。週に3回ほど撮影モデルをこなすという彼女の給与を聞いて驚いた。
「事務所に入っている子は取り分が数万円と少ないですが、フリーランスでモデルをしている私の月収は60万~70万円くらいですね」