あなたは「本当に遅刻している」のか

「子どもが病気で……」「親の介護で……」なども、あなたのキャラが出来上がっているならば有効な言い訳です。「上司に子どもはいるのか」「上司に介護経験があるのか」など、飲み会などで事前に上司の家庭環境を聞き出しておけば、相手の共感を得られる適切な言い訳を選択できて、さらに効果的でしょう。

逆に「恐縮する素振りを一切見せない」という手もあります。遅刻したあなたは平然と会議室に入り、片手を挙げて、「ヨッ」と挨拶します。皆があなたを怪訝な目で見るでしょうが、そのまま椅子にも座らず、会議室の壁にもたれかかってください。それから「続けてよ」と進行を促します。

これも、あなたが日頃から、いかにも「クリエーティブ系でござる」と言わんばかりの容姿・風体を取っていれば成り立ちます。「なんだかわからないがシーンの最先端で仕事をしているんだな」と思わせられれば、たいていのことは「新しい価値観」として許容されます。それがダイバーシティということです。アンケートでも「俺はたいていのことでは何も言われない」という声があり、うまくできれば有効な手段と言えます。

ところで、そもそもの話として、あなたは本当に遅刻しているのでしょうか? サウジアラビアに転勤していたビジネスマンからの情報によれば、その会社のサウジアラビア人たちは8時出社であっても平気で遅刻してきて「まだ8時50分だが、何か?」と言ってくるそうです。彼らのゆったりした時間感覚であれば、それで何の問題もないのです。現代社会は多様な文化と価値観を受け入れねばなりません。であればあなたも、あなたの時間感覚で遅刻していないのなら、誰にも咎められるいわれはないはずです。このような個人間の差異すら受け入れられず、何がダイバーシティだというのでしょうか。社会のほうこそ変わるべきです。

なお、終業時間が17時の場合、彼らが17時50分まで仕事をするのかというと当然そんなことはなく、17時きっかりで退社していたそうです。