中古住宅を購入するときの注意点は何か。「不動産Gメン」として情報発信している滝島一統さんは「居住用不動産のプロ曰く、本当に重要なのは、購入後に高額な修繕費につながるサインを見抜けるかどうかだ」という――。(第3回)

※本稿は、滝島一統『その家、買ってはいけない』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

新しい家
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家を買って満足する人、後悔する人

家を買いたいという気持ちはあるのに、なかなか動けない人がいる。「いつか」と思いながら、3年、5年と時間だけが過ぎていく。展示場を何度も回り、SUUMOで毎晩物件を眺め、ネットでローンのシミュレーションを繰り返しながら、それでも「まだ早いかな」と先送りを続ける。

「いつか」という日は、カレンダーには存在しない。何月何日に契約する、という日付が入って初めて、購入は現実になる。私はマイホームを購入することは、人生に喜びをもたらす行為だと思っている。欲しいから買う――その一点に動機が絞られているなら、後悔しない。

ただ、家を買うという行為には、知らなければ損をしてしまう罠がいくつもある。業者の詐欺トークに乗せられたり、物件の欠陥を見落としたり、資金計画を誤ったりすれば、夢のマイホームが人生最大の失敗のもとになりかねない。この記事では、「住む家」を買う際に、知っておくべき実践的な知識をまとめておきたい。

私が信頼する居住用不動産のプロにK氏という人物がいる。居住用不動産の取引を専門とし、年間22億円規模を一人で動かす実力者だ。K氏は家探しの出発点についてこう言う。「家を買いたいと思ったら、最初にやるべきことは資金計画です。SUUMOで物件を眺めることでも、展示場に行くことでもありません」と。

銀行は無理なく返済できる額を教えない

ところが現実には、「気に入った家を見つけてから真剣に考えよう」という人が多い。とりあえずSUUMOで検索してみる。あるいは、展示場へと足を運ぶ。

だが、これは根本的に逆だ。値札を見ずに美しい指輪を見せられて、気に入ったと思って値札を見てみたら数百万円だった、というのでは幸せになれない。

「世帯年収に対してローンがいくらまでなら組めるのか、そして組める上限まで借りることが本当に幸せかどうかを先に考えてほしいのです」とK氏は続ける。ローンの審査は銀行によって大きく異なり、A銀行では5000万円しか借りられなくても、B銀行なら6000万円まで通る、というケースもある。

銀行が貸してくれるというのだから、上限まで借りても十分返せるはずだと短絡的に考える人もいるが、銀行はそこまで親切に考えているわけではない。我が家ならいくらが無理のない借入額なのかを判断するのは、ほかならぬあなた自身だ。